オープンソースのPBX「Asterisk」の開発/サービス提供を専業とする米Digumは5月26日、Asteriskと「Skype」との連携を可能にする拡張機能「Skype for Asterisk」の販売を7月26日で終了することを発表した。Skype Technologiesが契約更新を拒否したためという。

AsteriskはSIPをサポートするオープンソースのPBXで、DigiumはAsteriskベースのPBXを提供する。Skype for Asteriskは2009年9月に発表された有料の拡張サービスで、DigiumのAsteriskベースPBXとSkypeのVoIPネットワークをネイティブ接続するもの。同ソフトウェアを利用することで、Asterisk上でSkypeハンドルネームを利用した通話やチャット、プレゼンス情報の表示が可能になる。

Digiumによると、Skype for Asteriskは同社とSkypeが共同開発したもので、Skypeが所有するプロプライエタリ技術が含まれているという。今回Skypeは契約更新を行わないことを決定、これによりDigiumは2011年7月26日以降は同拡張機能ソフトウェアを販売できなくなった。DigiumのRod Montgomery氏はブログで、Skypeの決定に対し「失望した」と記している。

Skype for Asteriskはこれまで毎月百単位の売上げを維持しており、多数の企業が導入しているという。DigiumのMontgomery氏は、既存のユーザーについては今後2年間サポートを続けるとSkypeは述べている、と報告、少なくとも2013年の7月26日まではSkype上でAsteriskシステムを利用できるのではないか、と述べている。