米Hewlett-Packardは4月27日(米国時間)、サービス事業のHP Enterprise Serviceが独SAPのクラウドサービス事業者として認定を受けたことを発表した。SAPアプリケーションのクラウド経由での配信を支援することになる。

SAPは2010年に「オンデマンド、モビリティ、インメモリ」の3つの軸を持つ新戦略を打ち出しており、オンデマンドでは自社ソリューションをインターネット経由で提供するSaaSをプッシュしていく。これにあたって、SAPはクラウドサービスの品質確保などの目的で、サービス事業者向けの認定制度を設けており、HPはこれに合格したことになる。

認定を受けたのは、アプリケーションホスティング、クラウド管理、災害復旧、ネットワークなどのHPソリューション。審査は技術的・物理的な安全プロセスや管理などを評価するもので、2年ごとに更新が必要となる。HPは、この審査に合格した初のグローバルクラウドサービス事業者の1社という。

米HP CEOのLeo Apotheker氏

実は、HPとSAPはここ数週間前から買収のうわさが持ち上がっている。エンタープライズベンダーの対立関係はこのところ変化しており、サーバーでHPと競合関係にあった米Sun Microsystemsを米Oracleが買収したことなどから、HPとOracleとの関係は良好ではない。Oracleは業務アプリケーション分野でSAPと激しく対立しており、共通の敵を持つHPとSAPが手を組むといううわさにつながったようだ。なお、HPの現CEO、Leo Apotheker氏はSAP出身。HPは今月に入り、新最高マーケティング責任者(CMO)として、SAPよりMartin Homlish氏を引き抜いている。一方で、HPはスキャンダルでCEOのMark Hurd氏を辞任に追い込んだが、Hurd氏はその後Oracleに社長として起用された。