アクアビットは12月17日、リチウムイオン二次電池の世界需要が2025年には2008年比で約100倍の規模に拡大するとの見通しを発表した。同社が発売する「未来予測レポート2011-2025」(発行 : 日経BPコンサルティング)の一部を抽出するかたちで公表している。
リチウムイオン二次電池は、パソコン、携帯電話、自動車(電気/ハイブリッド)、電動スクーターなどで活用されている電池。アクアビットによると、今後、世界人口の爆発的な増加と、中国やインドをはじめとする新興国の経済成長を背景に、需要が飛躍的に拡大するのが確実という。
今回のレポートでは、各プロダクトの将来シナリオを基にリチウムイオン二次電池の需要をこれまでよりも詳細に算出。具体的には、「18650」型の電池セルを単位として、携帯電話であれば1台当たり「1」セル相当、パソコンなら「8」、電気自動車は「4000」といったかたちで計算している。
発表において強調されているのが、自動車向けの需要。2025年時点で約2500億セルと試算されており、「2008年比100倍」というリチウムイオン二次電池全体の需要増を大きく後押ししている。特に中国、インドにおける需要が大幅に増える見込みで、現在、中国が100人当たり3.8台、インドは1.6台にとどまっている自動車保有率が、2025年には中国で29.0台、インドは20.5台になるとしたうえ、両国における電気自動車の普及率は年間新車販売台数のうち、中国で34%、インドで45%に上ると予測している。
そのほか、電動スクーター/新モビリティでも大きな需要が見込まれるとしているほか、エレクトロニクス分野での需要も右肩上がりに拡大すると説明。ただし、エレクトロニクス分野に関しては、2025年時点で自動車向けの2%程度とみている。