NEC 取締役 執行役員専務の小野隆男氏

日本電気(NEC)は7月28日、2010年度第1四半期連結決算を発表した。

それによると、売上高は前年同期比14.2%減の6675億円、営業損益は同168億円改善の232億円損失、純損益は同93億円悪化の431億円損失という結果だった。

なお、NECエレクトロニクスの非連結化の影響を除いた売上高の増減は255億円の減少となっている。

2010年度第1四半期連結決算概要

セグメント別の結果は以下のとおり。

セグメント別の結果

ITサービス事業は、市場が引き続き投資抑制傾向にある見ており、その影響から売上高が3.8%減。営業損益も、クラウド関連の投資額を増やした結果、51億円悪化の57億円損失となっている。

プラットフォーム事業では、仮想化によるシステム統合案件やセキュリティ案件が牽引するかたちで売上高8.3%増。営業損益は、コスト削減の効果もあり、97億円改善して44億円損失。

キャリアネットワーク事業では、NGNへの投資一巡や海洋システムの契約遅れなどの影響により売上高17.6%減。営業損失も65億円悪化の60億円損失。

社会インフラ事業では、交通/消防などが堅調で売上高2%増。営業損益は、コスト削減効果により10億円改善の3億円利益。

パーソナルソリューション事業では、携帯電話機器が競争激化のあおりを受けて減収となった一方で、高付加価値PCが好調でトータルの売上高は0.7%減。営業損益は、携帯電話の売上減や、LifeTouchなどの新端末開発費用の増加が響き、93億円悪化の4億円損失となっている。

NEC 取締役 執行役員専務の小野隆男氏は、第1四半期の業績を振り返り、「2010年は中期経営計画『V2012』に向けた最初の年。非常に重要な1年だが、目標達成に向け順調なスタートが切れた。売上高では目標未達のセグメントもいくつかあるが、営業損益ではキャリアネットワークが若干未達で終わった程度にとどまり、プラットフォーム事業、社会インフラ事業が上振れ。全体では、結果として、過達の状況が作れた」と説明。今後は、V2012の注力領域に挙げられている「クラウド」、「グローバル」、「新規事業」の拡大に向け、取り組みを加速させていくという。