米国・J.クレイグ・ベンター研究所における人工生命研究の最新成果をまとめたドキュメンタリー番組『人工生命作成までの5年間の記録』(ディスカバリーチャンネル 6月12日 25:00~)が、日本で初めて放送される。

『人工生命作成までの5年間の記録』

2010年5月21日に、米・科学誌『サイエンス』電子版にて、自己増殖する人工細菌の作成に成功したと発表した同研究所。実験では、"マイコプラズマ・マイコイデス"という細菌のゲノムをモデルとして作成した人工ゲノムを、ゲノムを取り除いた別種の細菌の細胞膜に移植、これを受けた細菌は、モデルの細菌と同じたんぱく質を生成し、自己増殖することも確認したという。

同研究は、バイオ燃料の生成や新たな食料源、ワクチン開発など、幅広い分野への応用が期待される一方で、生命倫理の問題や細菌兵器等を生み出す可能性なども取りざたされる。番組では、研究チームを率いるクレイグ・ベンター博士をはじめ、ノーベル生理学・医学賞を受賞したハミルトン・スミス博士、クライド・ハッチソン博士らが細心の注意を払いながら「人工合成細胞」の研究に挑んだ5年間の記録を紹介する。

なお、12日に放送されるのは、日本語字幕・日本語ナレーションなしのオリジナル英語版。同社が英語学習をサポートするプログラム「ディスカバリーイングリッシュ」のスペシャル版として放送される。また、後日、日本語字幕版の放送も予定している。

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