減量をしているときでも、コンビニの食べ物が楽しめる? 「そんなわけは……」と思っている人には朗報だ。工夫すれば、安心して食べられるという。そのポイントを、管理栄養士の大柳珠美氏に聞いた。

1.「おやつ=お菓子」の認識を捨てる!

3時のおやつというと、ケーキやクッキー、おまんじゅうやスナック菓子、チョコレート菓子などをイメージする人がほとんどかもしれない。お菓子は糖質が高いものがほとんど。食べれば血糖値が上昇し、肥満ホルモン・インスリンが追加分泌され、体脂肪の燃焼はストップする。減量したい人にとっては、小腹が空いたからといって手にするのはキケンだ。しかし、だからといってコンビニを避けなければならない、ということではない。単純に、お菓子ではないものを食べればいいわけだ。

2.魅力的なチーズ。ただし……

出先や会社のデスクでも、比較的、手軽に食べられるおやつにチーズがある。コンビニのチーズは3個入りのものや、スティックタイプのものなど、食べ切りやすいポーションのものが置いてあるのも魅力だ。チーズ1、2切れを目安に、ストレートティーやブラックコーヒーでブレイクすれば、案外、腹持ちがいいことを実感できるだろう。ただし、チーズと言っても、おつまみコーナーにあるチーズかまぼこやチーズちくわは避けよう。かまぼこやちくわには糖類やでんぷんなどが含まれるものもあり、糖質が高くなる傾向にある。

3.おつまみ乾物系も強い味方

おつまみ売り場も小腹が空いた時には役立つゾーンだ。例えばナッツ類。ミックスナッツやアーモンドなど、ひとつまみ、ふたつまみを目安に、エネルギーや糖質のない飲み物と一緒に食べると満足感、満腹感が手軽に得られやすい。また、干しただけのするめや鮭のとばの小袋パックも使える。そのほか、真空パックになった鶏ささみの薫製や甘くないおやつこんぶなどもデスクの引き出しやバックに入れておくと心強い。

4.軽食系でより満足感を

ある程度しっかり食べたいときの間食としては、スモークチキンが乗ったボリュームのあるサラダや、厚揚げとゆで卵の煮物、ゴーヤチャンプルーなどのおかず類を単品でチョイスしよう。おでんもおすすめ。卵、厚揚げ、こんぶ、しらたきなどは、糖質が少なく満腹感も得られやすい。そのほか、ゆで卵や缶詰も使える。缶詰は鮭や鯖の水煮缶にして、味つけはマヨネーズやしょうゆでつければOK。マヨネーズやしょうゆ、レモン果汁、ごま塩などの調味料は、コンビニにはミニサイズがあるので、おやつに限らず会社のデスクや車内で食事をする機会が多い人は揃えておくと便利だ。

5.飲み物にも要注意

ダイエット中、基本的に甘い味のついた飲み物は避けたい。おすすめは、お茶やストレートティー、ドリップコーヒーのブラックなど。冷たく甘い炭酸系飲料が飲みたいときは、糖質ゼロのものを選ぼう。そのほか、飲むヨーグルトや野菜ジュースも避けた方が無難。飲むヨーグルトには砂糖で甘味がつけられているものがほとんどで、野菜ジュースには果汁が入っているものもある。飲むという行為から糖質を摂取してしまうと、一気に大量の糖質が体内に入るため、食後、高血糖を起こしやすく、減量どころか肥満を助長してしまうことになりかねない。牛乳のがぶ飲みも糖質、エネルギーともに過剰になりやすいので要注意。乳製品のかわりとしては、無調整の豆乳がおすすめだ。

PROFILE : 大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士。NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。明星大学人文学部卒業。二葉栄養専門学校卒業。都内の3つのクリニックで、糖尿病、機能性低血糖症、脂質代謝異常、肥満等、生活習慣病の治療、予防のための食事指導を担当。講演会、レシピ提案、監修等を通し、広く情報を発信。著書に『糖尿病のための糖質オフごちそうごはん』(アスペクト社)をはじめ、『糖質オフのおいしいお菓子とパン』(アスペクト社)、『満腹ダイエット』(プレジデント社)の監修等がある。