CMS(Contents Management System)製品を提供するSitecore Corporation(デンマーク)は26日、アジア地域での展開拠点となる日本法人の設立を発表した。サイトコア株式会社の代表取締役には、前マイクロソフトの片山雅之氏が就任。中・大規模サイトを対象に、日本のCMS市場へ参入する。

マイケル・サイファート Sitecore Corporation CEO

片山雅之 サイトコア代表取締役社長(Sitecore Corporation副社長兼任)

サイトコアが提供する「Sitecore CMS」は、中・大規模サイトの構築・運営に向けた.NET Frameworkを採用したCMS製品。同社は世界40カ国において、Sitecore CMSをベースとしたオンラインマーケティングなどのソリューションを提供している。複数サイトを統一ブランドで管理する「Sitecore Foundry」、イントラネットポータルの構築ツール「Sitecore Intranet Portal」、分析ツールなどを統合した「Sitecore Online Marketing Suite」などのCMS製品群もそろえる。現在は海外の企業や政府機関を中心に1,750社以上で導入され、在外の日本企業で導入例やフットボールクラブ「マンチェスター・ユナイテッド」日本語サイトの構築例などもあるという。

日本法人の社長に就任した片山氏は、国内CMS市場へ参入する背景について、2000年頃に構築されたWebサイトの運用が複雑化している点、経済不況によってIT投資に費用対効果が求められる点、コンプライアンス面でコンテンツ管理の厳密化が求められる点などを指摘。そうした課題を抱える企業に対し、Sitecore CMSプラットフォームの導入を進めていく。販売はパートナーを通じて行ない、「今後3年で日本においてCMS業界でナンバー1のソフトウェアベンダになる」(片山氏)。また片山氏は将来的には、中規模クラス以下のサイトに向けたCMS市場に参入する考えもあるとしている。

Sitecore Corporation CEO マイケル・サイファート氏は、ユーザーとWebサイトをつなぐメディア形態を「現在のようなマスコミュニケーションから、Youセントリックなコミュニケーションにしていきたい」と話す。そのためには、顧客ニーズとソリューションをマッチングさせるソリューションとして、CRM(顧客関係管理)とCMSの活用が重要になると説明。次世代のWebコンテンツマネジメント市場が大きく成長するとの見方を示した。

Sitecore Corporationは今後、2010年に拡張パッケージ「Sitecore eCommerce」「Sitecore eMail Marketing」を発売するほか、現在7カ国の拠点を拡大する。2011年にはドイツ/ スイス/ オーストリア、2012年にはフランス/ 香港に進出する計画となっている。