NTTデータは2月2日、2010年3月期第3四半期(10-12月)の連結決算を発表、売上高は対前年同期比219億円増の7,966億円、経常利益は対前年同期比220億円減の452億円の増収減益となった。

受注高は、NTTデータ単体では金融分野において既存顧客向け案件が増加して前年同期比30.0%増と2ケタ成長を記録したほか、公共分野でも前年同期比6.2%増となっており、全体で前年同期比1,461億円増の9,719億円を記録した。

営業利益は前年同期比181億円減の501億円と大幅に減少している。その要因として、景気悪化に伴う原価率の悪化による売上総利益の減少、景気悪化などに伴う一時的な要員のシフトなどによる般管費の増加などが挙げられている。

2009年第3四半期業績

また2010年の通期予想では、当初海外売上拡大に向けて予定されていた新規M&Aが進まず予想を下回る見込みであるとともに、景気悪化による既存子会社の売上が減少していることから、期初予想からそれぞれ売上高は300億円減の1兆1,400億円、営業利益は150億円減の750億円、経常利益は160億円減の700億円、純利益は125億円減の345億円を予測している。唯一上方修正となった受注高は、期初予想から600億円増の1兆1,600億円を予測している。

2009年通期業績予想

NTTデータ 代表取締役副社長 執行役員 榎本隆氏

代表取締役副社長執行役員を務める榎本隆氏は、「これまで4期連続増収だったが、5期で息切れしてしまった。景気がいい時に先送りにしていた課題に取り組むべき時が来たようだ。今期、公共事業関連のグループ4社を1社に統合したが、これにより稼働のリスクの調整に成功した。このことから、グループ会社の統廃合が十分ではないことがわかった。また、グループ会社間、カンパニー間の要員の異動が難しいという課題もある。販売面では、新規案件の増加により、当社のノウハウを十分に発揮できなかった。今後は戦略に基づいた販売活動を行っていく必要がある」と、述べた。

また同氏は、「足元の受注は堅調に推移しているが、景気後退の影響をもろに受けてしまった。金融業界の業績は回復基調ではあるが、それが当社の利益となって現れるまで半年から1年のタイムラグがあると見ている。顧客との対話を踏まえて、あと1年は厳しい状況が続くと覚悟している。そうしたなか、グループ会社への発注を増やすなどして内製率を高めるとともに、個別最適と全体最適のバランスをとり、改善を図っていきたい」と、今後の見通しと方針について説明した。