居酒屋に行っても太らない食べ方はあるのだろうか、管理栄養士の大柳珠美氏に話を聞いた。居酒屋通いが続く人も、これらのポイントをしっかりおさえて、体重のキープに努めよう。
1. お酒は、焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒を選ぶ
アルコール類で気をつけたいのは、糖質を多く含む日本酒、ビール、紹興酒やワインなどの醸造酒を飲みすぎないこと。例えば、ビールには100g中3.1gの糖質が含まれている。350gなら糖質は約11gだ。もっとも、最近は糖質0の発泡酒も出てきているので、どうしてもビールという人はこちらがおすすめ。焼酎やウイスキーであっても、果汁や甘い炭酸で割ってしまっては元も子もないので注意したい。
2. つまみは、動物性たんぱく質をチョイス
つまみは、肉や魚介類など動物性たんぱく質を食べるのが吉。脂肪燃焼に欠かせない各種ビタミンやミネラルは、実は肉や魚介類にたくさん含まれている。例えば、ステーキを食べている最中でも、脂肪は燃焼していくというわけ。赤身牛肉のサイコロステーキ、塩で味付けした焼き鳥、ほっけの塩焼き、刺身、出し巻き卵など、動物性たんぱく質を中心に、湯豆腐、枝豆、海藻サラダ、酢の物など、大豆や大豆製品、植物性食品、海藻類を組み合わせるのがベスト。
3. 衣たっぷりの揚げ物はNG
居酒屋のつまみには揚げ物が多い。揚げ物の衣は小麦粉で糖質たっぷり。糖質はエネルギーとして優先的に使われるため、糖質を口にしている間は脂肪が燃焼されず、あまった糖質は脂肪として蓄えられてしまう。串かつ、春巻き、揚げぎょうざ、コロッケ、天ぷらなどは避けるべきだ。鶏の唐揚げには、衣が比較的少なくないものもある。どうしても揚げ物を……、という場合は、衣をはずすようにしたい。
4. 「野菜=ヘルシー」にも要注意を
野菜であれば、ヘルシーだからたくさん食べても大丈夫、そう思っている人は多いはず。だが、野菜の煮物は、砂糖やみりんが使われているだけでなく、いもなど根菜がたっぷりと入っていることが多々あり、結局、糖質を摂りすぎてしまうことに。ヘルシーに思える温野菜も、かぼちゃ、れんこん、にんじんなど糖質の多い野菜が使われているので、要注意だ。ポテトサラダ、マカロニサラダなどは、糖質、エネルギーともに高いので、できれば頼まないようにしたいもの。おすすめは、海藻サラダ、海鮮サラダ、豆腐とちりめんじゃこのサラダなど。
5. シメのラーメン、お茶漬けは御法度
夜は、肝臓でアミノ酸からブドウ糖を作ったり、脂肪を燃焼し痩せる方向へと向かったりする時間帯。そこへ、ラーメンやお茶漬け、そばなど、糖質がたっぷり含まれた主食系の仕上げを食べてしまうと、血糖値が上昇し、肥満ホルモン・インスリンが分泌され、糖質は体脂肪として蓄えられてしまう。定番のシメは慎みたい。その代わりとして、しじみの味噌汁、きのこ汁、わかめスープなど、温かい汁物をシメにするのが落ち着けるので試してほしい。
PROFILE : 大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士。NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。明星大学人文学部卒業。二葉栄養専門学校卒業。都内の3つのクリニックで、糖尿病、機能性低血糖症、脂質代謝異常、肥満等、生活習慣病の治療、予防のための食事指導を担当。講演会、レシピ提案、監修等を通し、広く情報を発信。著書に『糖尿病のための糖質オフごちそうごはん』(アスペクト社)をはじめ、『糖質オフのおいしいお菓子とパン』(アスペクト社)、『満腹ダイエット』(プレジデント社)の監修等がある。