日本ユニシスは、北海道に外気冷房システムを採用したデータセンター(DC)を構築すると発表した。 2010年1月よりサービスを開始するという。

このDCは、従来のDCで使用していた空調関連の電力使用量を約8割削減し、PUEの計画値は1.19だという。

PUE(Power Usage Effectiveness)値は、DC全体の消費電力をサーバなどのIT機器の消費電力で割った値。1.19というのは、空調や照明など、IT機器以外の電力使用量が、IT機器の19%であるということになる。これまでのDCでは、空調の電力使用量がIT機器を上回るケースが多く、PUE値が2.0を切ると優秀だといわれている。

日本ユニシスが新たな構築する北海道のDC(北海道iDC)では、高砂熱学工業の協力により冷却塔を用いて低温外気と熱交換し、冷水を製造するシステムであるフリークーリングや外気冷房システムを活用し、空調の電力消費量を削減する。同社の試算によれば、同規模のDCを従来の設計思想で建設した場合のPUEは2.3になるという。

北海道iDCの二酸化炭素排出量は215.9トン/年の予定で、仮に外気冷房システム等を活用した同規模のDCを東京や沖縄に設置した場合は、東京の場合は342.5トン/年、沖縄の場合は752.8トン/年になるという。

なお、このシステムは環境省が公募したカーボンオフセットに用いられるオフセット・クレジット(J-VER)創出のためのモデル事業に応募し、同省から採択されたという。

今後は、モデル事業への正式採用を待って、DCを利用するユーザーに対するカーボン・オフセットの方法を検討するという。

日本ユニシスの次世代iDC基盤全体概要図