ルネサス テクノロジ ヨーロッパは、次世代の低電力スマートセンサアプリケーション向けに48KBのオンチップFlashを搭載した8ビットマイコン「H8/38606F」を発表した。同製品はすでに出荷開始しており、パッケージは5mm×6mmの32ピンQFNパッケージで提供され、低電力技術が搭載されている。
H8/38606Fは同社のパフォーマンス8ビットラインである「H8/300H」CPUコアを搭載し、これに省電力技術と柔軟なオンチップFlashを組み込んだ形になる。これにより、インテリジェントセンサアプリケーションに必要とされる性能と、バッテリもしくはラインパワーのアプリケーションに必要とされる省電力性の両立が可能になったとしている。
同製品には高速クロック起動機能が搭載されている。これは外部に共振器を搭載することで、20μsでメインクロックを起動する機能であり、通信などの用途でローパワーモードから急速に通常モードに遷移する必要がある場合に便利である。
また、内蔵された非同期タイマは、外部からのトリガを数え、後は待機するといった用途に最適であり、こうした用途での平均消費電流は0.5μAとする。10ビットのA/Dコンバータを搭載しており、これを使うことで例えば水量系などの幅広いメータアプリケーションにも対応できる。
インテリジェントセンサは、待機中もしばしば通信が求められるため、H8/38606Fはローパワーモードでも、様さまざまな通信に対応している。この中には内蔵するIrDA I/Fを使ったUSARTもあり、32KHzオシレータで最大2400bpsの通信が可能である。また特定用途向けの16ビットタイマと2つのアナログコンパレータを使うことで、2線式通信も可能である。このタイマは、他にも4chのPWM出力を含む、さまざまな用途に利用することが出来る。 さらにオシレータを内蔵したウォッチドッグタイマも搭載しており、パワーオンリセット動作だけでなくシステムの信頼性を確保することも可能である。
加えて、ルネサス テクノロジのHigh Performance Embedded Workbenchや低価格オンチップデバッガ「E8a」で、すべての機能を利用することが出来る。