富士通は、同社が2007年度から国内で展開している「Green Policy Innovation」プロジェクトをワールドワイドに拡大し、2012年度までに累計1500万トン以上のCO2を削減すると発表した。

「Green Policy Innovation」の目標をグルーバルに拡大

「Green Policy Innovation」プロジェクトは、、ユーザーや社会の環境負荷を富士通のITにより低減することで、ユーザーのCO2排出量を削減しようというプロジェクト。

2007年に発表した目標では、2007年度から2010年度までの4年間で累計700万トン以上を削減することになっており、2008年度までは、目標の181万トンを上回る223万トンの削減に成功した。

「Green Policy Innovation」の進捗

これまでは国内でのみ展開していたが、今回新たに設定した目標は対象をグローバルに拡大し、2009年度から2012年度までの4年間で累計1500万トン以上を削減する。この目標を達成すれば、2012年度単年で560万トンのCO2を削減することになるという。また、1500万トンのうち海外分は200万トンとなっている。

内訳は、より環境負荷の低いIT機器に変更することで300万トン、より効率的なソリューションを利用するこで1200万トン削減する。

1500万トンの内訳はIT機器により300万トン、ソリューションにより1200万トンとなっている

富士通 常務理事 環境本部長 高橋淳久氏

富士通 常務理事 環境本部長 高橋淳久氏は、今回の目標設定の変更について「富士通は数値目標にこだわっているが、それは、数値目標を立てて推進していけば、目標をオーバーできるような具体的な活動ができると思っているからだ。今回の目標設定の強化は、グローバルでの技術と目標の共有にある。これにより、日本での環境技術を海外にも展開していくことや、海外の良い技術を日本に取り入れていくことが可能になる」と説明する。

そのため、今後は環境配慮製品を利用した世界共通の「Global platform」上で、世界共通の「Global infrastructure service」を動作させ、各国でユーザーニースに対応する個別ソリューションを展開していくという。

グローバルでのグリーンITの展開

高橋氏は「G8では2050年までにCO2の排出量を1990年比で半減しようという共通認識を持っているが、温室効果ガスを半減するにはイノベーションが必要で、イノベーションのためにはITが必須だ。今後は環境負荷の低い製品を開発することも大切だが、新興国や途上国を含めて、その製品をすべに普及させていくことが重要だ。このような技術の交流があれば、世界レベルでのCO2の削減に大きく貢献することになる」と述べた。