Androidプラットフォームを採用する携帯メーカーの増加とともに、Androidアプリの開発に乗り出す開発者が増えている。だが、モバイルアプリをビジネスにつなげるプラットフォームとしてAndroidはまだ未成熟であるようだ。ロケーション技術を開発するSkyhook Wirelessが今年10月に実施したアンケート調査で、57%の開発者がAndroidアプリからの利益に「満足していない」と答えた。「非常に満足している」という回答はわずか4%だった。

Adroidからの利益に満足しているか?

アンケートに協力した開発者(30人)は、Androidプラットフォームに対する不満点として「ダウンロード数の低調な伸び」「Android Marketのデザイン」「決済システム」などを挙げた。ダウンロード数は10,000回以下が90%、53%が5,000回以下にとどまっている。「マーケットプレースのデザインが、ユーザーにアプリが気づかれない原因だと考えるか?」という質問では「イエス」という答えが82%に達した。またリリースから6カ月以内にダウンロードのピークが過ぎたという回答が全体の97%を占めた。「低いダウンロード数がAndroid Marketでアプリを見つけるための機能を鈍らせている。リリース後に多くのアプリはマーケットプレースに埋もれてしまい、そのままコンシューマの目にとまっていない」(Skyhook)。

Googleの決済サービス「Google Checkout」への不満も多く、43%が通信キャリアによる決済、または他のよりシンプルな決済システムを利用できればアプリの売り上げが向上すると感じている。

Androidアプリが売り上げにつながらないため時間の投資も減少傾向になる。リリースしたアプリの改善に意欲的な開発者は32%。「少し」と「行わないだろう」が合わせて68%だった。

Androidアプリに興味を持つ開発者は、幅広い携帯メーカーや通信キャリアによるAndroidプラットフォームの採用に期待している。より多くのAndroidデバイスがリリースされれば、Androidアプリからの収益も改善されそうだ。ところがSkyhookのアンケート結果では、46%が異なるバージョン、異なるデバイスの存在がアプリ開発を困難にしていると答えた。50以上のAndroidデバイスのリリースが予測される中、多くのAndroid開発者がデバイスの多様化によって逆にアプリ配信のチャンスが失われることを危ぶんでいるという。

「アンケートの結果は、Androidプラットフォームが直面する深刻な問題を浮き彫りにしている。モバイルアプリ開発者を引きつけるには、Androidアプリを利益につなげる効果的な方法を開発しなければならない。それが形にならなければ、開発者はプラットフォームへの興味を失うだろう」(Skyhook)。