米Fortune誌は11月5日(現地時間)、過去10年の偉大な経営者として「CEO of the Decade」に米Apple CEOのSteve Jobs氏を選んだと発表した

米Apple CEOのSteve Jobs氏

1997年の暫定CEO就任以来、死の淵にあった同社を蘇らせ、2009年11月5日時点でGoogleやCiscoといった企業らを抜いてAppleをシリコンバレー最大の時価総額企業へと押し上げ、現在もなおiPhoneやMacなどの新製品で人々を魅了し続ける手腕が評価されたものとみられる。

Apple創業者でもあるJobs氏はApple IIやMacintoshなどの画期的な製品の数々を市場に送り出してきたが、経営者として米PepsiCoから迎え入れたJohn Sculley氏に逆にAppleから追い出されている。その後、NeXTやPixarなどの設立を経てAppleへと復帰、iMacの発表やMicrosoftの提携など次々と新機軸を打ち出し、業績の立て直しに成功している。同時にiPodとiTunesでPC以外のデバイスやサービス分野でも業容を拡大し、さらに2007年に発表されたiPhoneでは、スマートフォン業界の勢力図を一気に塗り替えた。

だが一方で、プライベートではガンとの闘病が続くなど苦しい生活を続けており、ついに昨年には半年以上の休業を余儀なくされ、肝臓移植手術を受けたことを報告するなど、非常に波瀾万丈な人生を歩んできた。

今年9月には長期休業から復帰後、初の姿を公の場に見せ、痩身ながらも自らが健在であるメッセージを聴衆にアピールした。現在は来年初頭の登場が噂されるタブレット型デバイス開発の陣頭指揮を執っていると言われ、同氏のAppleでの活動はライフワークの1つとなりつつある。シリコンバレーの奇跡ともいえるJobs氏とAppleの足跡をたどりつつ、今後10年のAppleについて思索を巡らせてみてほしい。