NTTドコモは24日、国産間伐材(ヒノキ)を使用した携帯電話の試作機『TOUCH WOOD』をmore trees、オリンパス、シャープの4社共同で開発したと発表した。
more treesは、音楽家の坂本龍一氏をはじめ、細野晴臣氏、高橋幸宏氏、中沢新一氏、桑原茂一氏の5人が発起人となり、各界から100人以上の賛同人を得てスタートした、世界の森林を救うためのプロジェクト。今回、NTTドコモ、more trees、オリンパス、シャープが共同で開発した試作機に利用した木材は、オリンパスの技術により、四万十原産(more treesの森)のヒノキを圧縮加工している。試作機のGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)は、more treesの賛同人でもある、写真家の瀧本幹也氏の作品をベースに制作している。
NTTドコモによると、試作機の開発コンセプトは「本物感」「唯一感」「環境思想」の3つ。これまで木材については、劣化の問題がクリアできず、「フェイクの素材に頼らざるを得なかった」(同社)。今回の「TOUCH WOOD」では、本物の木材をオリンパスの三次元圧縮成形加工技術により、「高度な耐久性・耐水性・防虫性・防カビ性を実現し、劣化面での性能を損なわない携帯電話の試作に成功した」(同)。
また、本物の木材を使用しているため、「1台ごとに異なる美しい木目と色合いが実現され、自分だけの思い入れ、愛着が生まれる」(同)。また、無塗装のため、圧縮加工の工程で生まれる美しいツヤとヒノキ独特の香りを楽しむことができるという。
さらに、間引きで発生する間伐材を携帯電話に利用することで、「これまで用途が限定されていた間伐材に経済的な価値を見出し、林業を活性化させることで、山・川・海の環境整備の促進につながる」としている。
なお、同試作機は10月6日~10日に千葉県千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2009」のNTTドコモブースへも出展される予定となっている。