Snow Leopardで新たに搭載された主要機能のうちで、開発者にとって非常に魅力的なテクノロジーがGrand Central Dispatch(GCD)だ。GCDはMac OS X全体の機能をマルチコア環境で効率よく処理できるように開発されたシステム。そして早くもこのGCDのユーザビリティライブラリであるlibdispatchがオープンソースとして公開された。

このオープンソース化されたGCD libdispatchについて、Andrew Bendnarz氏がThe Apple Blog内で私見を述べている。

Andrew氏によると、GCDはたしかにMac OS Xの使用者や開発者にとって恩恵をもたらすものであることは間違いないと述べている。しかし、コンピュータプログラムの全体の開発者にとって興味をそそる機能とは呼べなかったとし、今回オープンソース化されたことでおそらくAppleは、Linuxなど他のオープンソースプロジェクトが技術を取り込んでくれることを望んでいるのではないかと指摘している。

これは少なくともGCDがオープンソースパーティにとってもに魅力的なテクノロジに変わり、広く採用されることでwin-winの関係になるはずだと語っている。それはたとえれば、1つの成功例であるWebKitに見ることができ、Appleがオープンソースの利点をはっきりと理解している、ということのようだ。

また、最終的にGCDは、libdispatch、xnu(Darwin)、llvmの3つのオープンソースコンポーネントによって、今後さらに刺激的なビジョンが広がっていくのではないかと述べており、GCDの更なる発展に期待性がうかがえる。