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望むにしろ望まないにしろ、クラウドを活用する機会は増えている。ユーザや開発者が直接クラウドサービスを使うことは少なくても、普段活用しているWebサービスやWebアプリケーションそのものがクラウドプラットフォームで稼働しているというのは、ままあることだ。高いスケーラビリティを持ち、必要とするリソースの分だけ費用を支払えばよいクラウドは費用対効果の面でも考慮すべき点が多く、今後ますます利用する機会は増えるのではないかとみられる。

Sean P Aune氏がSitePointにおいて10 Solutions For Your Cloud Hosting Needsのタイトルのもと、クラウドソリューションを紹介している。紹介されているサービスは次のとおり。

Amazon CloudFront

Amazon CloudFront。コンテンツを配信するためのWebサービス。開発者やビジネスユースにおいてほかのAmazon Webサービスと連動してコンテンツの配信を実現する。ダウンロード要求はもっとも近いサーバに自動的に割り振られ、高速なデータ配信を実現する。

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)。スケーラビリティの高いコンピューティング能力を提供する。数分程度の最小限のセットアップでそのまま使えるサーバインスタンスを構築でき、要望に応じて提供するリソースを制御できる。

Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)。スケーラビリティの高いファイルストレージシステム。ほかのAmazon Webアプリケーションと同じく消費したリソース分に対して費用が発生する仕組みで、転送量とリクエスト量などが対象となる。

Elastic Server

Elastic Server。カスタム可能なサーバソリューション。既存のパッケージから利用したいものを選択してサーバに追加したり、または要望に応じて必要なものをアップデートして利用する。

FlexiScale

FlexiScale。特定目的のサーバを構築可能なクラウドサービス。必要に応じて必要な仮想サーバを制御パネルやAPI経由でローンチ可能。構築可能OSにはWindowsやLinuxなどがあり、インスタンスのメモリは8GBまで設定可能。数分で構築は完了する。ほかのクラウドサービスと同様、使った分のみが課金対象となる。

GoGrid

GoGrid。WindowsまたはLinuxベースのサーバインスタンスをオンデマンドで構築できるクラウドサービス。

Google App Engine

Google App Engine。PythonまたはJavaで構築されたアプリケーションをホスティングするサービス。無償で利用できるリソースを超えた場合には、支払いとともにさらにリソースを拡大できるプランも用意されている。正式にサポートされている言語はPythonとJavaだが、ほかのプログラミング言語を利用できるようにする方法もある。

GridLayer

GridLayer。サービスやアプリケーションに対してスケーラビリティの高いグリッドサービスを提供する。利用したい機能のパッケージごとに費用が発生するタイプのシステム。

Softlayer CloudLayer

Softlayer CloudLayer。数分でさまざまなOSに対応したコンピューティングインスタンスを構築して提供するサービス。2.0GHzのプロセッサに対応したインスタンスを構築可能で、それぞれを統合して利用することも可能。課金は時間単位で設定することができ、一度にひと月分を支払うとディスカウントがある。

The Rackspace Cloud

The Rackspace Cloud。もともとMossoとして知られていたサービス。3ステップで新しいサーバインスタンスを構築可能。最初にメモリ容量を256MBから15.5GBの間で選択し、次にOSを選択する。数分後には新しいサーバインスタンスが構築される。もっとも廉価なプランで1時間0.015米ドルから。

クラウドサービスは手元に実機を持つ必要がなく、数分でインスタンスを生成できるという特徴がある。また高いスケーラビリティを提供しており、実機を用意する場合と比べて性能上限や連続稼働についてH/Wの設計と実装、モニタリングを実施する必要がない。反面、リソースの利用量に応じて課金されるサービスが多いため、利用量管理が重要な検討項目となる。