日本ネティーザは8月6日、ブレード・サーバ型のDWHアプライアンス・ファミリーの第1弾として、「Netezza TwinFin」を発表した。同社は今後、ブレード型DWHアプラインアンス・ファミリーとして3製品をリリースする予定だ。

日本ネティーザ 代表取締役 ダグラス・エッツェル氏

代表取締役を務めるダグラス・エッツェル氏は、「今回発表した製品は、"もっと速く"、"もっと大量のデータを"、"より幅広いシーンに対応を"といった顧客の要望にこたえたもの。標準のブレードサーバ、ストレージ技術と当社の独自技術であるFPGAを融合させるなど、ハードウェアを改善したことで、現行製品のNPSシリーズよりも性能が2~5倍向上している」と、新製品の特徴を説明した。

同氏によると、ソフトウェアの改善の余地はまだあり、文字型データの圧縮やクラスタ・ベーステーブルなどの機能を強化することで、10倍の性能にまでもっていきたいという。「現行製品のラインアップは1種類だが、幅広い用途への対応を望む顧客のため、エントリー・開発モデル、大容量モデル、メモリ強化モデルを今後提供していく。エントリー・開発モデルは来年春にリリースする予定だ」

日本ネティーザ 執行役員技術本部長 法華津誠氏

これまで同社の製品は独自開発のハードウェアを提供してきたが、同製品は、IBMのハードディスクやブレードサーバなど汎用製品と同社のハードウェアが組み合わされている。執行役員技術本部長を務める法華津誠氏は、その理由について、「これまで汎用的なサーバやストレージの評価を行ってきたが、2008年に当社の製品に採用できるクオリティに達していると判断した。これにより、当時は次期製品の開発が90%以上進んでいたが、標準のブレードサーバとディスクアレイに乗り換えることにした」と説明。

新製品は、「ディスク・エンクロージャ」、「SMPホスト」、「スニペット・ブレード」の3パートから構成されている。ディスク・エンクロージャは8台のストレージ・エンクロージャ、IBM製の1TBのSASディスクを96個搭載しており、高速データ・ストリーミング処理を行っている。ハードディスクはミラリングが行われている。

Netezza TwinFinの構造

SMPホストは2台のSMPホストを搭載しており、OSはRed Hat Linux 5(64ビット版)である。SQLコンパイラを行う。

スニペット・ブレードはFPGAを搭載する「Netezza DBアクセラレータ」とCPUを搭載するIBM製のブレードサーバ「IBM BladeCenter」から成る「Netezza S-Blade」を12個装備している。ここでは、データのストリーミング処理がFPGAエンジンで圧縮されたデータの解凍や絞込みを行った後、CPUコアで複雑な計算を行うといった流れで行われる。

Netezza TwinFinでのデータ・ストリーミング処理の仕組み

同製品の機種はS-Bladeの数で分類され、3個、6個、12個、48個、120個搭載する5機種が提供される。同製品の価格は未公開で、10月末より出荷が予定されている。