マーサーが発表した「2009年世界生計費調査」によると、海外駐在員にとって最も物価が高い都市に東京が選ばれた。米ドルに対して円が大幅に価値を上げたため、昨年11位だった大阪も順位を上げて、東京に続く2位にランクインしている。昨年1位だったモスクワは3位にランクダウンした。

また、昨年まで6年連続で最下位だったアスンシオン(パラグアイ)に代わり、ヨハネスブルグが最も物価が低い都市に選ばれた。ニューヨークの指数を100とした指数でみると、東京のスコアは143.7で、ヨハネスブルグの49.6に対して約3倍もコストがかかることになるという。

10位内をみると、東京 / 大阪 / 香港 / 北京 / シンガポールとアジアが5都市ランクイン。中でも昨年20位であった北京が9位まで順位を上げている。ニューヨークも昨年の22位から8位にジャンプアップした。一方、昨今の大幅な為替変動による影響で、多くのヨーロッパ都市は順位を下げた。ワルシャワは昨年の35位から113位に低下した。

マーサーのシニアリサーチャーであるナタリー・コンスタンティン-メトラルは「昨年来の経済不況を背景とした世界的な為替変動が、今年の都市ランキングに大きな影響を与えています。ユーロや英ポンドをはじめとする多くの通貨は、米ドルに対して価値を下げたため、ヨーロッパの都市が順位を下げる結果となりました」と述べている。

世界生計費調査は、世界で最も包括的な生計費調査で、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用。具体的には、世界各国の143都市において住居費 / 交通費 / 食料 / 衣料 / 家庭用品 / 娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。

マーサー 2009世界生計費調査-都市ランキング トップ10

順位(昨年の順位) 都市
1位(2位) 東京
2位(11位) 大阪
3位(1位) モスクワ
4位(8位) ジュネーブ
5位(6位) 香港
6位(9位) チューリッヒ
7位(7位) コペンハーゲン
8位(22位) ニューヨーク
9位(20位) 北京
10位(13位) シンガポール