パナソニックは6月29日、工場の生産活動におけるCO2排出量削減を実現する独自の省エネシミュレーション技術を開発したことを発表した。エナジー社和歌山工場では同技術を活用して、2008年度は生産高が前年比約2倍に急増したにもかかわらず、CO2排出量を1.1倍に抑制し、生産高当たりのCO2排出原単位を前年比46%まで削減した。

同技術は、エネルギー消費の高い生産設備や原動設備を用いる工程を調査し、性能・品質の維持を精密な実験で実証した上で、設備の効率的な運転条件を正確に予測するというもの。具体的には、「乾燥・焼成炉設備の最適化」、「クリーンルームに代表される空調設備の最適化」、「高圧エアの最適化」を実現し、独自の省エネソリューションを抽出するシミュレータ群として開発されている。

同社は同技術の開発について、原動設備の変更にとどままらず、生産プロセスの改革にまで及ぶ取り組みであり、CO2削減と生産性向上の両立を実現するものとしている。

今後、同技術の活用は現在大阪府に建設中のエナジー社住之江工場などの先進省エネ工場をはじめ、多くの工場の炉・空調・クリーンルームなどの設備に拡大していくという。