ビジネスブレイン太田昭和は6月22日、同社が19日に関東財務局長宛に提出した内部統制報告書において、平成21年3月期における財務報告に係る内部統制が有効ではなかったと報告したことを発表した。

その原因は、決算・財務報告プロセスで、子会社の繰延税金資産における取り崩しの検討と認識が不十分であったため、子会社で繰延税金資産の回収可能性の判断の適用を誤り、さらにそれに対する牽制が十分に機能しなかったことにあるという。

上記を是正するため、事業年度の末日後、繰延税金資産の回収可能性の判断に関するマニュアル、新たな業務フローを整備・運用し、内部統制報告書提出日までに是正後の内部統制の整備・運用状況の評価が実施された。これにより、同社では内部統制報告書提出日において、繰延税金資産の回収可能性の判断に係る内部統制は有効でだと判断している。

ビジネスブレイン太田昭和のほか、紀州製紙とダイオーズも平成21年3月期内部統制報告書にて、「重要な欠陥」があったことを報告している。

紀州製紙は、「財務報告に係る内部統制の不備に起因して発生した処理誤りの金額が、当社の第83期の重要な欠陥の基準の金額的な重要性の判断基準である3,500万円以上となった」と報告している。事業年度の末日までに是正されなかった理由は、「連結グループで連結決算処理に係る知識・経験に長けた者を一連の処理・承認手続に従事させることができなかったため」と説明。すでに修正は行われており、今後の対策として、5月から連結グループの決算業務を統括する当社経理部門に知識・経験に長けた人員の増員を行った。

ダイオーズは、「重要な欠陥」の内容について、「コンピュータデータの保全手続きにおいて、運用・保守管理規程の運用が不十分だったため、会計データの一部が消失し、当期の財務諸表作成にあたって消失した会計データの修復作業を行うこととなった」と報告している。この欠陥が事業年度の末日までに是正されなかった理由は、「会計データのバックアップデータ復元作業のテスト実施が十分ではなく、バックアップデータ消失のリスクを予見できなかったため」としている。

同社はこの欠陥を是正するため、事業年度の末日後、管理本部に取締役管理本部長直轄のプロジェクトチームを設置し、同プロジェクトチーム主導でハードウェアの修繕を実施し、バックアップ・リストアテストの実施に関する新たな業務フローを整備・運用し、内部統制報告書提出日までに当該是正後の内部統制の整備・運用状況の評価を行った。その評価の結果、内部統制報告書提出日に、コンピュータデータの保全手続きに係る内部統制は有効だと判断したとしている。