中国が自国で販売されるPCに対し、フィルタリングソフトの導入を義務づけようとしている。今週に入り米New York TImesをはじめとする複数のメディアが報じている。これは5月に中国政府がPCメーカー関係者らに通達を行ったもので、ポルノや"不健全"な情報を遮断するのが目的だという。メーカーらは現在対応を検討中で、このルールは7月1日にも実行に移される見込みだ。

このフィルタリングソフトは「Green Dam-Youth Escort」と呼ばれるもので、PC利用者がインターネット上の不健全な情報にアクセスすることを防止することを目的としている。アクセスを遮断するサイトを網羅したブラックリストは、適時インターネットを介してアップデートが可能となる。

"不健全"なサイトの遮断を標榜してはいるものの、実際には中国政府の反体制につながるような情報を遮断するのが目的だというのが通説だ。ブラックリストは適時アップデートが可能なため、中国政府がユーザーのPCに介入してアクセス状況のコントロールが行える。このGreen Dam-Youth Escortを国内で販売されるPCに強制的にインストールさせることで、情報管理をより容易なものにしようというのが本来の狙いとみられる。

現在、DellやHewlett-Packard (HP)など、中国市場に進出している大手メディアらは中国側から提示されたソフトウェアの評価中で「どのような挙動を示すのか検証中」の状態だという。