日本レコード協会(RIAJ)は12日、同協会会員のレコード会社10社が、ネット上で無断で音楽ファイルを公開していた4人の情報の開示を求める請求を、ISP2社に対し行ったと発表した。同協会では、4人はファイル共有ソフト「WinMX」を利用したとみている。

日本レコード協会によると、4人はWinMXを利用し、多数の市販レコードの音源を権利者に無断で公開。同協会会員のレコード会社が持つ著作隣接権(送信可能化権)を侵害した疑い。

同協会では、これら4人に対し、インスタントメッセージ機能を利用して警告。だが、その後も侵害行為を繰り返し行っていたことから、「その悪質性に鑑み、損害賠償請求などを行うため『プロバイダ責任制限法』第4条第1項に基づき、ISPに対して情報開示を求めるに至った」(日本レコード協会)。

プロバイダ責任制限法第4条第1項では、(1)権利侵害が明白であること、(2)発信者情報の開示を求める正当な理由があること、の二つの要件を満たせば、権利侵害情報を発信した者を特定するための情報(発信者情報)の開示を求めることができると明記。

さらに同法では、発信者に対して発信者情報の開示を行ってもよいのかどうか意見を確認した上で、1週間たっても開示に同意しないとの意思表示がなければ、情報を開示してもISPは責任を負わないと定めている。