スーダンのバシル大統領(Omar Hassan al-Bashir)に国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出した - このニュースを聞いて、なぜ一国の大統領に国際機関が逮捕状を? と疑問に感じた向きも多いかもしれない。だが、ダルフールでいまも続く民兵組織「ジャンジャウィード(janjaweed)」の残虐非道な行い - 虐殺、強姦、暴行、強盗、放火… - を知れば、それを黙認(というより支援)してきた現政権を「なぜ国際社会は今まで野放しにしてきたのか?」と驚きを禁じ得ないはずだ。

おそらく逮捕状発行に合わせてだろう、NASAは3月5日(米国時間)、この画像を公開している。

国際宇宙ステーション(ISS)から撮影されたスーダン・ダルフール地方に拡がるマラ山地(Marra Mountains)。2000mを超える山々が連なる。最高峰のカルデラ「Deriba Caldera」には真ん中に2つのカルデラ湖が並んでおり、アラビア語で「ジュベル・マラ(Jebel Marra)」と呼ばれる。標高約3000mの比較的若い火山

ダルフール地方はけわしい山岳地帯ということもあり、この湖のように、ずっと世界から隔絶されつづけてきた。バシル政権が海外からの支援を厳しく制限していることも被害の拡大に輪をかけている。NASAはこの写真の公開にどんなメッセージを込めたのだろうか。