富士通は3月4日、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)より「センチネルアジアSTEP2」のシステム開発を受注したと発表した。同システムは、観測した衛星画像を各国被災地の防災機関へ迅速に配信することを目的とした、通信衛星による国際的な災害管理支援システム。2010年4月からの稼働が予定されている。

センチネルアジアは、JAXAが2005年に提唱し、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)が推進する国際プロジェクト。地球観測衛星などの宇宙技術を有効活用し、自然災害の被害が集中するアジア太平洋域の防災・危機管理に資する活動として、現在、20ヵ国51機関、8国際機関が参加している。

同プロジェクトが2006年より開始したプロトタイプシステム「STEP1」では、JAXAの地球観測衛星「だいち」による観測を始めとした災害地域の衛星画像、地図データなどをWeb上で公開・提供し、2007年2月のジャカルタ洪水ほかで実績を残しているという。

「STEP2」では、アジア各国の衛星画像をより迅速に各国の防災機関に定期的に自動配信する仕組みを構築する。具体的には、富士通の高速ファイル転送ソリューション「BI.DAN-GUN」を通信衛星とインターネット通信に組み込むことで、インターネット環境が十分に整備されていない地域にも、JAXAの超高速インターネット衛星「きずな」を用いて確実に衛星画像を配信することが可能になる。

センチネルアジアプロジェクトの概要