NECは2月27日、異業種交流会、オフィスの休憩スペース、セミナーやイベント併設の懇親会などで人々のコミュニケーションを活性化するシステムとして、空間演出メディア「ActiveAvatar」を試作し、慶應義塾大学との共同実験により有効性を検証したことを発表した。

ActiveAvatarは、ディスプレイの前に集まった複数の利用者が自身のアバターや名前、所属などをディスプレイに自動的に表示することで、利用者が初対面でも話しやすい雰囲気を作り出し、コミュニケーションの"きっかけ"を提供するシステム。

同システムは、利用者の情報が蓄積されたサイバー空間と、共用ディスプレイの前にいる利用者が他の人と交流するリアル空間をつなぐことで、従来IT化が進んでいなかったリアル空間でのコミュニケーションの活性化を促進することを目指している。

同システムでは、利用者の位置情報をNECの屋内位置管理システム「SmartLocator」および新たに開発した名札型の測位端末で検出。これにより、利用者は端末をかざしたり、自分の場所を意識したりすることなくシステムが利用できる。 利用者は、ディスプレイ上のタッチパネルを操作してプロフィール交換が可能なほか、利用者同士のプロフィール交換履歴を管理し、人脈図として出力・表示する機能も提供される。

今回の共同社会実験は、文部科学省科学技術振興調整費による委託業務「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成 コ・モビリティ社会の創成」により実施されたもの。今後NECは、NECネッツエスアイ本社の「EmpoweredOffice Center」に同システムを設置して来場者による利用実験を実施し、オフィス空間での有効性を検証していくという。

ActiveAvatarのシステム構成