PPC、人と組織を基点にプロセスをモデリングするBPM製品「jCOM1」を発表

パワード プロセス コンサルティングは2月27日、独jCOM1が開発したBPM(ビジネスプロセスマネジメント)製品「jCOM1」を、国内市場に向けて提供を開始したことを発表した。同製品の最小構成ライセンス費用は約930万円(モデラー1名、ワークフロー人数20名の場合)。

同製品は、プロセスモデリングツール「jPASS!」、プロセスの確認・テストツール「jLIVE!」、プロセスの実行ツール「jFLOW!」の3つのコンポーネントから構成される。

同社の代表取締役社長を務める力正俊氏は、「これまでのBPMツールは、プロセスモデリング層と実行系層の連携が不完全だった。それゆえ、モデリングツールと業務システムの連携がうまくいっていない。その穴を埋めるのがjCOM1だ」と、同製品を提供する理由を語った。

同製品の最大の特徴はプロセス志向ではなく、人・組織に焦点を当てたサブジェクト志向であるという点。「サブジェクト志向」とは、独jCOM1の創業者のAlbert Fleischmann 博士が「企業の変化をいかに迅速にITに反映させることができるか」を実現させるために開発したコンセプトである。モデリングを行う場合、プロセス志向のBPMでは「何をする」というプロセスをつないでいく形でモデリングが行われるが、サブジェクト志向では、「誰が何をする」ということまで定義した形でモデリングを行う。

また、3つのモデルテンプレートと5つのシンボルのみでモデリングを行うことができるのも同製品の特徴だ。以前、IDSシェアー・ジャパンでBPM製品「ARIS」を扱っていた力氏は、「ARISでは140個のモデルテンプレートと無制限のシンボルを用いてモデリングを行う。そのため、特別な教育を受けたコンサルタントしかツールを使いこなせないが、jCOM1はITにそれほど詳しくない業務部門のユーザーが簡単に使いこなせる」と同製品が操作性に優れている点をアピールした。

業務部門が行ったモデリングの結果は、IT部門が手を入れることなく、そのままワークフローに変換できる。ここまでノンプログラミングで行える。さらに、作成したビジネスプロセスは即時に検証することが可能だ。そのため、同製品を用いることで、BPMにまつわる手間とコストの低減が実現される。

ドイツでは、1000個の業務プロセスの変更を行う必要があった企業において、ハードウェアにまつわるコストを除いた費用20億円が5億円にまで削減できたという。