ヘンケルジャパンのシュワルツコフ プロフェッショナル事業本部は2月23日、ヘアサロン向けコンサルテーションサイト「Virtual Preview」を発表した。Virtual Previewは、施術後のイメージを3Dアニメーションで表示するサービス。顔写真をアップロードすると、それを基にFlashアニメーションが生成され、そのアニメーションに対してさまざまな髪型を合わせることができる。

Virtual Previewの画面。右側の顔イメージは、まばたきしたり表情を変えたりするため、現実に近い雰囲気で新しい髪形を見ることができる

同サービスは、モーションポートレート社の技術を使って開発されている。最大の特徴は、上記のとおり、画像を基にFlashアニメーションを生成する点。まばたきをしたり、表情を変えたり、顔を傾けたりするので、より現実に近い雰囲気の中で新しいヘアスタイルを合成することができる。トップやサイドのボリュームを増減させるなどの微調整を施すことも可能だ。

シュワルツコフではすでに一部を一般向けに公開している。そこで用意されているヘアスタイルは現在20種類だが、3月23日のヘアサロン向けサービス開始時には100種類以上が準備される予定。さらにヘアカラーは同ブランドのIGORAシリーズから124色を提供。白髪染めも含め、さまざまなカラースタイルを提案することができるという。

シュワルツコフ プロフェッショナル PPSグループ 技術開発担当 岩崎大輔氏

シュワルツコフ プロフェッショナル PPSグループ 技術開発担当の岩崎大輔氏は、現在のヘアサロンでのサービスを振り返り、「お客様が施術後に鏡を見て失望するケースが少なからずある」と説明する。そのうえで、そうした事態に陥る原因として、「美容師にイメージが伝わっていなかった」「美容師の提案スタイルがイメージできなかった」「希望したスタイルが自分に似合うかわからなかった」などを挙げ、「Virtual Previewを導入して施術後のイメージを共有しながらコンサルテーションを行えれば、そうした問題が解消され、スタイリストとお客様の間で強固な信頼が築ける」と続けた。

また、Virtual Previewには、Flashイメージ上のヘアスタイルを施術するためのレシピを出力する機能も搭載される。レシピには、カット面やカーリングロッドの大きさ、カラーリング用薬剤の品名などが記載されるため、「スタイリング技術の標準化が行え、施術結果のばらつきを抑えることができる」(岩崎氏)という。さらに、ヘアスタイルに最適なスタイリング剤も画面上に表示されるため、自宅でのスタイリング方法を指南するうえでも参考にできる。

Virtual Previewで出力されるレシピの例。来店客の目に触れぬよう画面には出さず、プリントアウト形式で出力される。なお、正式リリース時にはより多くの情報が掲載される予定

加えて、コンサルテーションのデータは保存して再利用することも可能。次回来店時に写真撮影の手間を省くことはもちろん、「ダイレクトメールに活用することもできる」(岩崎氏)という。

「通常のダイレクトメールは一般向けの売り文句ばかりが並んでいるだけで、お客様の心にまではなかなか届かない。Virtual Previewのデータを活用して、お客様に適した個別の提案を盛り込めば、印象に残るうえに、スタイリストがお客様のことを覚えていることをアピールできる。来店サイクルの短縮化にもつながるはず」(岩崎氏)

なお、Virtual Previewは、Flash 10 PlayerがインストールされたWebブラウザがあれば動作する。IDとパスワードさえ取得すればすぐに利用できるようになるが、当初はSchwarzkopfと契約するヘアサロンにのみ提供される予定。また、サイトの機能は半年に一度のペースで改善を続けていくという。

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