カリフォルニア州ロサンゼルスに住む男性Nathan Smith氏がGoogle Earthを使って、1822年に難破したスペイン船を見つけたと主張している。そこには30億ドル相当の財宝が眠っている可能性があるという。その発掘をめぐってSmith氏と土地の所有者が衝突。裁判沙汰に発展している。

Smith氏は「Lost Treasures of American History」という本を頼りに、Google Earthを使って財宝が眠っている可能性がある場所を見て回っていた。テキサス州のAransas Pass周辺でクリークの不自然な形状に気づき、バーカンティーン型帆船の残骸ではないかと考えた。そして専門家に相談した上で、金属探知機を持って現地を訪問。独自調査の末、そこに難破船があると確信した。

発掘にとりかかろうとした時に問題が発生した。発掘に必要なエリアの土地はMorgan Dunn O'Connor氏という個人の所有物だったのだ。同氏はGoogle Earthで眺めただけで確たる証拠もなく掘らせるわけにはいかないと協力を拒否。交渉は平行線のまま解決に至らず、裁判所に判断が委ねられた。

両者に歩み寄りの姿勢が見られないのは、船が沈んでいるとSmith氏が主張する場所が湿地帯であるからだ。Smith氏側の弁護士によると、難破船の場所は航行可能な水路の一部であり、連邦法によって第1発見者のSmith氏に発掘の許可が認められるという。だが土地と見なされれば、所有者であるO'Connor氏に権利がある。ほかにも一部の専門家が、Smith氏の主張する場所は商業水路と考えにくいと指摘している。その場合、土地としても認められなければ、テキサス州が権利を有することになる。この問題はヒューストンの地方裁判所へ情報が提出された後、3月中にも裁定が下される見通しだが、非常に判断しにくい場所であり、長期化も指摘されている。

Smith氏が主張するAransas Pass周辺

本当に難破船が眠っているとすれば、ほとんど人が入り込まない湿地帯であるため、これまで見つからなかったと考えられる。Google Earthのようなツールの登場によって、そんな場所に誰でも簡単に踏み込めるようになった。Google Earthを使ったトレジャーハントの成否にも注目が集まっている。