ここ数年、「YouTube」や「ニコニコ動画」などの動画共有サービスが普及し、ネットユーザーの間で動画を介した新しいコミュニケーションが誕生しました。動画を見るだけではなく、感想を書きあったり、動画の内容について議論をすることが視聴と同時にできるようになったのです。しかし、アップロードされた動画に対するコメントなどを通じたコミュニケーションは非同期であり、制作者も視聴者もリアルタイムで対話することはありません。

このような動画を用いたコミュニケーションのもうひとつの形に、参加者全員が同じ時間に同じ内容の映像を共有する生放送が考えられます。動画の生放送であれば、映像の送信者と視聴者がリアルタイムにコミュニケーションできるため、互いにより共感しやすい環境が作られるでしょう。今回紹介する『USTREAM.TV』は、Webカメラとマイク(そして、アイデアや披露する芸)だけで簡単に生放送できる無料の動画配信サービスです。

ワールドワイドに展開されている「USTREAM.TV」は、国、人種、言語を問わず、多くの人たちに利用されています。アーティストが視聴者のリクエストに応えて演奏を披露したり、ペットの様子を固定カメラで永遠と配信する番組など、内容も多岐にわたります。企業による利用も多く、例えば自社製品の技術カンファレンスの様子を生放送で配信するなどの用途に使われています。

利用方法は簡単で、まずは「Sign up」から新しいアカウントを登録してログインします。その後「My Shows」を選択して新しい番組の配信ページを作成します。配信ページは、ある程度のカスタマイズが可能になっており、番組用のロゴや背景画像などを表示できます。

準備が整えばWebカメラとマイクを接続して「Broadcast Now」から配信用のウィンドウを開きます。FlashがWebカメラへのアクセスを要求してくるので「許可」ボタンを押し、画面が正しく表示されていれば「START BROADCAST」を押して配信を開始します。また、「START REVORDING」を押すと配信番組を同時に録画できます。録画した動画は、他の一般的な動画共有サービスと同じように共有・公開できます。

下部の「Show Chat」ボタンを押すと、この配信ウィンドウにチャット画面が表示されるので、生放送を配信しながら視聴者とチャットすることができ、その場で感想やリクエストを求めることも可能です。自分の部屋を放送局に、世界に向けて表現できる新しいプラットフォームとして活用してみてはいかがでしょう。

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