1月から始まった新しい大河ドラマの初回、5歳の子どもに「北斗の七星(ななほし)」を宿命として重ね合わせるのはかなり強引なんじゃ……と、ちょっとした違和感を抱いたのだが、それはともかく、月以外の天体を見分けられないという人でも、これだけ明るい星がひしゃく型で夜空に並んでいれば、見つけ出すことはそう難しくない。古今東西、北斗七星にまつわる物語が数多いのも、つねに明るくわかりやすく輝いているからだろう。

国際宇宙ステーション(ISS)から2003年3月に撮影された北斗七星(the Big Dipper)。撮影者のDon Pettit氏は6カ月に渡りISSに滞在し、研究を行った。「地球から見る北斗七星と宇宙から見るそれの違いは、(空気抵抗がないため)星がまったく瞬かないこと」(Pettit氏)、だから地上では肉眼で見分けにくい柄の部分の二重星ミザールとアルコルもはっきりと見えるという

北斗七星は星座ではなく、おおぐま座の"熊の腰"の部分を構成する星群 - いわゆるアステリズム(asterism)である。春/夏の大三角形や南斗六星もアステリズムにあたる。ひしゃくの水汲み部分を構成する2つの星 - ドゥーベ(Dubhe)とメラク(Merak)を結んだ先にあるのが北極星で、北斗七星とペアで語られることが多いのはご存知の通りだ。

NASAはこの写真のタイトルに"Comfort Stars"と付けている。地球から遠く離れた宇宙空間に長期滞在する人々にとって、地上から見上げたときと変わらない形を見せてくれる7つの星は、どれだけ彼らの心を慰めたことだろうか。