ウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長の内野弘幸氏

ウイングアーク テクノロジーズは12月4日、同社のデータ活用ソリューション「Dr.Sum EA」シリーズに、集計データをもとにさまざまなチャートを表示することで、"チャートによるデータ分析"を実現するツール「Dr.Sum EA Datalizer MotionChart」を発表した。出荷は2009年1月末からを予定しており、製品価格は100万円(税別)としている。

Dr.Sumは、「2001年に"多次元高速集計レポーティングツール"として提供を始めた製品。当初は帳票を扱う企業としてBIの立場を表明していなかった。2003年に、現在のバージョンの基となる"Dr.Sum EA V1"をデータ集計エンジンとして提供を開始、以来2008年10月には基幹情報系DBエンジンとして、更新系の強化によるリアルタイム対応、SQL強化、スピード向上、多重度強化などを図った"Dr.Sum EA Ver3.0 SP1"をリリースし、BIとして本物になった」(同社代表取締役社長の内野弘幸氏)という。

Dr.Sumの系譜(Dr.Sum EA Ver3.0 SP1が最新版となる)

ウイングアーク テクノロジーズ 事業統括本部 Dr.Sum事業部長の小島薫氏

Dr.Sum EAは2008年2月の時点で2,000社に採用され、3,250本が導入された実績を持つが、「11月末時点では2,300社、3,800本に増加しており、Data Warehouse(DWH)/BIパッケージシェアでは国内1位を獲得し、満足度調査も71.0%と高い評価ももらっている。今後は、これを100%にするように目指していく」(同社 事業統括本部 Dr.Sum事業部長の小島薫氏)とし、Dr.Sum EAにより日本のデータ活用を変えていく「Change the BI」を引き続き提唱していくとする。

Dr.Sum EAは、さまざまなインタフェースを有しており、MotionChartもこの内の1つに位置づけされる。コンセプトとしては、「溢れるデータからビジネスに価値を生む"気づき"を創造」としており、Web集計レポート帳票の閲覧用インタフェースであるWeb集計ダッシュボード「Dr.Sum EA Datalizer for Web」と組み合わせての使用が想定されている。

ちなみに、対応WebブラウザはInternet Expolar6以降、およびFirefox2以降としており、Google ChromeとSafariに関しては対応を進めている段階にあるという。

同製品と従来のチャート作成製品の違いは、従来品が表での分析結をチャート化したものしか掲載できなかったものを、チャートによる分析を可能としたという点。企業内のすべてのデータをデータ取り込みツールを用いて集計検索エンジンに転送、そこからユーザインタフェースである同製品を用いて必要なデータだけを取り出してチャートに変換、表示することが可能である。なお、「現場担当者向けのチャート機能、チャート分析を搭載している同製品のほか、経営者、管理者のコックピット、ダッシュボード機能を持つ"Dr.Sum EA Visualizer"も平行して提供を行っていく」(同)とする。

1つのチャートのほか、個々のチャートに分割することなども可能

フォー・クルーの代表取締役社長である田中潤氏

実際の操作も簡単で「マウスのクリックだけでチャートの拡大、縮小、スライド、年や月といった期間の指定、チャートの分割などができる」(MotionChartの開発を担当したフォー・クルーの代表取締役社長である田中潤氏)ほか、同じデータを使って異なるグラフ(円グラフや棒グラフ、折れ線グラフ)の表示ができ、なおかつその一部をドリルダウンすることが可能である。

なお、同製品の発売に併せて2009年1月末から同2月末までの出荷分に対応した「早期導入キャンペーン」が開催される。内容は、Datalizerの既存ユーザ(Dr.Sum Standard含む)およびReporting Serverからのアップグレードユーザ、新規ユーザを対象とした価格15%オフ(保守については標準価格の15%)、2009年4月末まで受講可能な無償特別トレーニングが用意されているほか、「新規導入向け特別パック」として、「Dr.Sum EA Datalizer Expert」と「Dr.Sum EA Datalizer MotionChart」を300万円(標準価格は350万円、保守については標準価格の15%)で提供する。

また、既存のDr.Sum Standardのユーザに対しては、4月から別のキャンペーンも行うことを予定している。