内田洋行とウチダスペクトラムは11月18日、次世代情報活用基盤構築が可能なエンタープライズサーチ「SMART/InSight G2」を共同で開発、即日販売を開始したことを発表した。

同製品は、ウチダスペクトラムが2005年より開発・販売を行ってきた「SMART/InSight」シリーズの第2世代品となるもので、今回のバージョンより内田洋行が開発に参加、販売も併せてグループとして行う。

出荷は12月11日からを予定しており、ライセンス価格は構成2QPS/50GBインデックス(約2,000名、約500GBファイル容量に対応したスペック)で年額720万円(税別)から、買取価格で3,350万円から、となっている。なお、内田洋行では、グループ全体で初年度売り上げ目標を10億円としている。

出荷時期ならびに製品価格

内田洋行の取締役専務執行役員 マーケティング本部 本部長である大久保昇氏

同製品に対し、内田洋行の取締役専務執行役員 マーケティング本部 本部長の大久保昇氏は、「市況の悪化が取りざたされているが、このような時こそ経営基盤の強化が必要となる。今回のバージョンは、ただのエンタープライズサーチとしてではなく、次世代情報基盤として開発を行った」と語り、「日本には多くの暗黙知が存在するが、組織をまたいでの活用が上手くできていない場合があった。組織を超えて形式知の共有を図ることで、知を競争優位に生かすことが可能になる」とした。

次世代情報活用基盤を構築することでビジネスの課題を解決

SMART/InSight G2では、「使いやすさ」と「集知」をキーワードに、既存の機能に「Ajax ポータルフレームワーク」「集合知形成フレームワーク」「仮想データ統合フレームワーク」の3つのフレームワークを統合している。これにより、異なる部門のユーザごとに発生する異なる要望、異なる使い方を異なるスキルで使うことが可能となるほか、利用者の体験/経験を共有し組織へ"智恵"を拡大することが可能になるという。

バラバラに存在する"智恵"を「SMART/InSight G2」を用いることにより、整理、共有することが可能となる

キーワードは「使いやすさ」と「集知」

「SMART/InSight G2」の製品構成

Ajaxポータルフレームワークは、ユーザに向けた枠組みで、Ajaxを用いることで、操作画面のカスタマイズの自由度と"使いやすさ"を提供する。標準ウィジェットとして、画面を構成する10の機能パーツを標準で提供。ユーザは、操作画面を必要な機能の選択や使いやすい場所への配置などパーソナライズすることが可能となり、自身の最適なポータル画面を作成、利用することができるようになる。

仮想データ統合フレームワークは、さまざまな情報を仮想統合し、マネジメントする機能群で、検索精度向上のためのメタデータマネジメント機能、複数の情報を仮想統合するマッピング機能を強化している。また、インデックス外のインターネット検索サービスを利用することにより、インターネット上にある社外コンテンツも社内の情報と同様に同期をとった検索をすることができる機能「フェデレートサーチ」を追加しており、社内外を問わずに情報を手元に置くことができるようになった。

集合知形成フレームワークは、"集合知"の形成を支援するための機能で、検索条件の保存と共有に加え、新たに個人の操作履歴(キーワード、タグ、ドリルダウン、お気に入りなど)や検索履歴のすべての保存と共有が可能となった。また、管理者はこれらの履歴から多様なトップ10ランキングなどの機能パーツ作成も可能となり、個人の検索スキルや操作スキルをグループや組織全体で共有することが可能となる。

SMART/InSight G2における新機能

ウチダスペクトラムの代表取締役社長である町田潔氏

ウチダスペクトラムの代表取締役社長である町田潔氏は、同製品の活用方法として、「データの統合を進めながら、活用できるデータベースを作成し、Ajaxを用いて多くのユーザが集い、そこに集合知を形成していく、という流れをこの製品で築いていってもらえれば」としており、製造業を中心に日本企業の強みを出せる手助けをしていきたいとした。

SMART/InSight G2の画面(Ajaxにより、好きな場所に好きなウィジェットを配置できる)