Yahoo! BrowserPlus

Gearsに対向するものと考えるのはちょっと違うのだが、仮にGearsがもっとも近いプロダクトだとするならGoogleに遅れること1年5カ月弱、Yahoo!はついにWebとデスクトップの統合を実現するプロダクトYahoo! BrowserPlusの一般公開を開始した。執筆現在BrowserPlusのサイトには"BrowserPlus will be back shortly"と表示され情報が得られない状況になっているが、言葉どおりなら直ぐにアクセスできるようになるだろう。

Yahoo!はWebとデスクトップの垣根を取り除く技術として2008年6月にYahoo! BrowserPlusを公開した。最初に公開された時点で開発期間が1年間だったということを考えると、Google Gearsが公開されたのと時を同じくしてBrowserPlusの開発がはじまったことになる。どういった経緯があったのかはわからないが、BrowserPlusがGearsを意識していることは間違いないだろう。

GearsはAjaxアプリケーションにオフライン機能を提供するが、BrowserPlusはもっと広範囲に渡る機能を提供する。Webサービスやブラウザ、デスクトップをシームレスに統合するための技術と考えるといいだろう。GoogleはGearsとChromeで攻めてきているが、それに対向するのがBrowserPlusということになる。これまでセキュリティ上の理由からBrowserPlusは広く利用できる状態では提供されていなかった。ユーザから十分なフィードバックを得たという理由で今回の一般公開が実現されたという。

今のところサポートしているOSはWindows、サポートしているブラウザはIE6とGoogle Chrome。BrowserPlusを普及させるひとつの鍵は対応するブラウザとOSを増やすことだ。今後どの程度のペースで対応OSとブラウザを増やしてくるかは不透明だが、今回の公開がBrowserPlusにとって注目すべきものであることは間違いなさそうだ。

Yahoo! Developer Networkの技術エバンジェリストであるMattt Thompson氏はGears, BrowserPlus, and Web 3.0, babyにおいて、Web 3.0を実現するための要となる技術がGearsとBrowserPlusだと説明している。Yahoo!がWeb 3.0の要と考えるBrowserPlusの今度の動向に注目していきたい。