米Citrix Systemsは5月20日(現地時間)、現在米テキサス州ヒューストンで開催されているイベント「Citrix Synergy 08」において、同社アプリケーション配信プラットフォーム「Citrix Delivery Center」を含む、複数製品のアップデートを発表した。

Delivery Centerはアプリケーションやデスクトップ環境などを仮想化技術で抽象化し、サーバからクライアントに対してリモートで配信するソリューション。エンタープライズ環境において、管理が容易で安全なデスクトップ環境を提供する。サーバやデスクトップ、アプリケーションのXen仮想化環境の制御を行う「Controller」、企業ネットワークとインターネットの境界に配置される「Gateway」、リモート拠点で通信の中継を行う「Repeater」、アプリケーションやデスクトップの実行環境である「Receiver」、Delivery Centerの通信フローを制御する「Orchestrator」などの製品群で構成され、企業のバックエンドで動作する。今回アップデートされたのは、主にリモートオフィスでの利用を想定したRepeaterとReceiverに関する新製品だ。

Citrix Branch Repeater

GatewayとRepeaterの間に介在し、Xenによって仮想化されたWindowsデスクトップ/アプリケーション環境をクライアントまで中継する。一般にインターネット回線は帯域が狭く、こうした環境下でのDelivery Center利用のパフォーマンスを向上させる。Windows Server上で動作し、ブランチオフィス側のゲートウェイであるMicrosoft ISA Serverとの連携が可能。価格は5500ドルから。

Citrix Desktop Receiver / Citrix App Receiver

ノートPCやデスクトップPC、シンクライアント端末上で動作する軽量クライアントソフトウェア。XenDesktop等のController側で仮想化されたデスクトップ/アプリケーションのエンドポイントとなり、実行環境として動作する。Receiverで動作するデスクトップ環境は中央での監視やソフトウェアのアップデートが容易という特徴がある。

Citrix XenDesktop

サーバ側で動作するデスクトップ環境の仮想化ソリューションのXenDesktopも、同日付けで製品の提供開始ならびにラインナップがアナウンスされた。最大10ユーザーまでの管理が可能な無料のExpress Editionを含み、機能別に5つのエディションが用意される。各エディションの名称と価格は下記の通り。なお、Express Editionは無償で同社サイトからダウンロードが可能。

  • XenDesktop Express - 無料
  • XenDesktop Standard - 75ドル
  • XenDesktop Advanced - 195ドル
  • XenDesktop Enterprise - 295ドル
  • XenDesktop Platinum - 395ドル