警視庁は14日、自ら開設したサイトを通じて権利者に無断で複製した海賊版ソフトを販売したとして、愛知県春日井市の51歳の無職男性を著作権法違反の疑いで逮捕、16日に東京地検に送検した。男は「生活費を稼ぐためにやった」と供述しているという。

調べによると、男は14日、ジャストシステムが著作権を有する「JUST Suite 2008(通常版)」(価格:25,000円/税別)を複製したDVD-R1枚を販売する目的で所持していた疑い。

警視庁によると、男は、無料で登録・利用できるインターネットショッピングモールに、「激安の殿堂 ソフト王国」の名称で出店。海賊版ソフトを「ボリュームライセンス版(VL版)ソフト」と称し、「企業や学校内で複製が許可されているものであり、弊社では倒産した企業等からの複製済み流出分等を買い付け販売しております」などと虚偽の説明。73種類の海賊版ソフトを取り扱い、1本につき1,000円~1万6,000円で販売していた。メールマガジンを発行するなどしてWebサイトの宣伝も行っていたという。

男は2004年秋ごろから販売を始めたが、2005年に一時休止、2008年1月から本格的に販売を再開。警視庁では、男が同期間中に約500枚の海賊版を販売、売り上げ約320万円、利益約100万円を得たとみている。

警視庁本所署の署員がサイバーパトロールで男性のWebサイトを発見、14日に行われた家宅捜索では、パソコン1台、海賊版とみられるCD-RやDVD-R約100枚などが押収された。オートデスクが著作権を持つソフトの海賊版を販売目的で所持していた事実も確認されており、同社も告訴を予定している。調べに対し男は、「生活費を稼ぐために海賊版ソフトを販売した」と供述しているという。