韓国でSamsung電子およびLG電子の2社が、そろって「触覚」を特徴とした携帯電話を発表した。

感性的なUIが特徴

Samsung電子は、新しいユーザーインタフェース(UI)を適用したタッチスクリーン携帯「SCH-W420(SK Telecom向け)/SPH-W4200(KTF向け)」を発表した。「Anycall Haptic」のブランド名で販売している。

「Anycall Haptic」。写真を検索する際もまるで実際のアルバムをめくるような感覚で行える。3.2インチのタッチパネル液晶、200万画素カメラ、Bluetooth 2.0などを搭載している。価格は70万ウォン台(7万円台~8万円程度)

Hapticとは「"触覚の"といった意味になる」(Samsung電子)。同社によると「視覚や聴覚はもちろん、触覚を同時に刺激し、ユーザーが携帯電話と共感し合い、まるで携帯電話が生きているかのような感覚を与えるようにした感性的なUI」であり、「デジタル技術に、アナログ的な感覚を結合した"デジログ"的な」機能が一番の特徴であるという。

デジログ的な機能とは、例えば指でボリュームダイヤルを回す際「カチカチ……」という音と同時に振動を感じられるようになっており、ラジオのボリュームを上げる時のような感触が味わえるようになっているという。

この振動も、強弱・長短などの違いにより22種類ものバリエーションが用意されている。これを機能ごとに使い分けられるのはもちろん、人の名前や生年月日を登録しておけば、電話がかかってくるたびに、発信者のバイオリズムに合わせて振動が変わるといった機能も持つ。

このほかよく利用する機能をアイコン化し、待ち受け画面に配置しておけるウィジェット機能も搭載する。

画面は、指で触れることで上記の機能を操作できるだけでなく、ドラッグ&ドロップにも対応している。ひとつの画面上で一度タッチするだけで全ての機能を実行できる「Easy Access方式」の設計コンセプトを採用している。

こうしたUIを開発するのに、Samsung電子では1年程度をかけたという。このように戦略的に開発されたUIを搭載した新製品が、韓国でどれほど人気を得られるのか注目される。

シリコンで"皮膚"の感触

「LG-SH240」。普及型端末ではあるが、200万画素カメラ、音楽プレーヤー、Bluetoothといった一通りの機能を備えている

LG電子では、メタリックなスタイルにシリコン素材を組み合わせたHSDPA対応機種「LG-SH240」(SK Telecom向け)を発表した。

本体前面に配置されているメニュー、通話、方向キーや数字キーパッドに、弾力のあるシリコン素材を適用し柔らかみを出しているのが特徴だ。押すと皮膚に触れるかのように軽い弾力を感じられるという。

皮膚のようなイメージというと柔らかさのみが強調されてしまいがちだが、この機種ではメニューキーや数字キーパッド上にある文字を黄緑色にすることで、軽快なイメージも付加している。さらに本体にはメタル素材を適用しており、シャープなイメージも加わっている。また側面にはボリューム以外のキーが一切ないため、すっきりした印象も受ける。

価格は30万ウォン(31,000円程度)と比較的安価だ。LG電子ではSK Telecom向けの普及型携帯電話を今後も続けて販売する予定で、HSDPAサービスの一層の普及を目指す。