EclipseCon 2008において興味深い発表がおこなわれた。Sun MicrosystemsはEclipse陣営には参加していないわけだが、同社はEclipseプロジェクトの一貫として、そして実質的にOracleによって開発が進められてきたJavaパーシステンス実装EclipseLinkを、JSR 317: Java Persistence 2.0の参照実装として採用するという。これでSun、Oracle、EclipseのJava三強がEclipseLinkをJPA 2.0として認めた形になった。

結果的に、Eclipse陣営主導で進められてきた技術がSunが推奨しているJCPにおける標準仕様および実装として採用されることになった。これはSunがEclipse陣営に参加しNetBeansから手を引くものではない。同社が統合開発環境として第一に推しているのは依然としてNetBeans IDEだ。JCPの視点にたった場合、EclipseLinkをJPA 2.0の参照実装として採用することが効果的だと判断した結果にすぎない。

同じくSunが推進しているGlassFishでは、v1/2でJPA 1.0プロバイダとしてTopLink Essentials (EclipseLinkの前衛)を使っている。これまでの流れにそって、そして今回の発表もありGlassFish v3ではEclipseLinkがJPA 2.0の参照実装として採用される見通し。もちろんEclipseLinkはGlassFish v2でも動作する。Java EE 6にもEclipseLinkが採用されることになるだろう。

結果的に今後リリースされるJava EE/SE、Eclipse IDE、NetBeans IDEでORマッパーやXMLバインディング機能にEclipseLinkが使われることになる。JPA 2.0の実装を進めてきた、またはこれから開発に着手するプロジェクトはいくつもあるが、今回の発表で統合開発環境およびJava標準配布で配布されるEclipseLinkがデファクトスタンダードになる可能性が高くなった。