英国放送協会(BBC)は7日(現地時間)、番組キャッチアップサービス「BBC iPlayer」を米Appleの「iPhone」および「iPod touch」に対応させたことを発表した。サービスはベータ版としており、iPlayerが携帯端末に対応するのはこれが初となる。iPlayer利用者は、iPhoneやiPodで番組を楽しめる。

「BBC iPlayer」(画像はPCバージョン)

iPlayerはBBCの番組キャッチアップサービス。ダウンロード版とストリーミング版の2バージョンがあり、1週間以内に放映された番組を無料で視聴できる。2007年秋に「Windows XP」向けにサービスを開始し、「Mac OS」(現時点ではストリーミングサービスのみ)など、これまでのところPC向けのサービスとなっていた。

今回、携帯端末としてまずはiPhoneとiPod touchに対応した。実装は、「Apple SDK」「Flash for iPhone」などの開発キットを利用せず、516kbpsストリーミング(400Kbps H.264、116Kbps AAC)を構築したという。ユーザーはiPhoneとiPod touchを使ってiPlayerのWebサイトにアクセスし、番組をストリーミングできる。iPhoneはEDGEをサポートしているが、BBCでは伝送速度の点から無線LANの利用を推奨している。BBCでは、無線LANアクセスポイントプロバイダの英The Cloudと提携しており、ユーザーは7500のアクセスポイントを利用できる。

最初にiPhoneとiPod touchに対応させた理由について、BBCのデジタルメディア技術トップのAnthony Rose氏はブログで、「(2つの端末は)高画質なビデオに最適化されており、iPlayerと番組の表示状態がよいため」と説明している。

Rose氏はiPlayerの今後のモバイル対応についても説明している。それによると、BBCでは携帯電話、ゲーム機などの携帯端末を、

  1. Webブラウザ付き
  2. Webブラウザなし

の大きく2つに分けており、当面はiPlayerにアクセスできる1にフォーカスするという。その端末例としてiPhoneとiPod touchのほか「Nokia N95」「Nintendo wii」を挙げている。

BBCは先日、「iTunes Store」での番組提供も開始している。