日立製作所、デュオシステムズ、富士通、日本電気、NTTコミュニケーションズの5社は、運用ポリシーやアーキテクチャが異なる複数サイトのWebサービスを連携させるための技術を開発したと発表した。これは、独立行政法人 情報通信研究機構の委託によるもの。

今回の開発に際しては、複数サイトにまたがるWebサービスの設計を容易に行う技術、利用者の設定したポリシーに基づいて個人情報の開示を制御する技術など、14の研究課題を設定、それぞれの課題を担当する会社を決め開発にあたった。昨年10月から今年の2月にかけては各社の研究成果を持ち寄り、北九州市において実証実験を行い、その有効性を実証したという。

実証実験は、北海道から北九州に転居するという想定で行われ、住所変更のほか児童手当など、付随するサービスの変更なども確認された。

実証実験による評価

今回5社が開発した主な技術は次の3つ。

  • Webサービスを連携させるシステムを開発する際に、複数ある設計図から最適なものを選択し、その設計図からサービス連携プログラムを自動生成する技術
  • 複数サイトのシステム稼働状況を一括して把握する技術
  • プライバシー情報の開示先を制限できるセキュリティ関連技術

これらは、主に自治体など公共分野での利用を想定し、複数サイトで提供されるWebサービスを連携させるための基盤技術の確立を目的として開発された。

今回開発された技術を適用すれば、住民情報システムや税務システムなどの業務システム内の各種情報のやりとりを、異なる自治体間においても実現できるという。

要素技術の開発

今後は3月末までに委託研究成果報告書をまとめるとともに、自治体内外でのシステム連携を実現するための仕様である「地域情報プラットフォーム」の策定、普及促進を行う財団法人 全国地域情報化推進協会に対し、標準仕様策定にあたっての提案も行っていくという。