米Yahoo!は20日(現地時間)、JavaScriptライブラリ「YUI」(The Yahoo! User Interface Library) の新しいバージョン「YUI 2.5.0」をリリースした。

YUIは、DHTMLやAjaxなどを用いたリッチクライアントWebアプリケーションを構築する際に利用可能なJavaScriptライブラリ。ボタンやカレンダー、ツリービューといったウィジェットに加えて、アニメーションやドラッグアンドドロップ、JSON操作用のユーティリティなど、さまざまな種類のコンポーネントを多数提供している。

今回リリースされた新バージョンでは、新たに6つのコンポーネントが追加されたほか、既存のコンポーネントについても機能の向上が行われている。

まず、今回新たに加わったコンポーネントとして注目すべきは「Uploader」だろう。このコンポーネントはFlashも利用することによって、実装するのが面倒なファイルのアップロード機能を提供する。Uploaderを利用することによって、一つの「ファイルを開く」ダイアログボックスで複数のファイルを選択できるようになるほか、アップロードの進行状況も表示することが可能になる。また、アップロード作業の各時点においてはイベントが発行されるため、作業に合わせて任意のアクションを実行することも可能になっている。

もう一つ、新しく加えられたコンポーネントとして興味深いのは「Layout Manager」だ。このコンポーネントを用いると、一つのブロック要素内を複数のユニットに分割し、ブラウザ上で統合開発環境のようなレイアウトを実現できる。それぞれのユニットの配置は上下左右もしくは中央から選択可能なほか、ユニットの境界をドラッグしてサイズを変更したり、ユニットを折りたたんだり、といった高度な機能も備えている。

Layout Managerを用いたレイアウト画像

ほかには、マウス操作で画像の一部を指定できる「ImageCropper Control」や、Cookieの操作を簡単に行えるようにする「Cookie Utility」、既存のProfilerコンポーネントで収集したプロファイリングのデータを分かりやすく表示する「ProfilerViewer Control」などが追加された。

また、テーブルを表示するコンポーネント「DataTable Control」はAPIが大幅に変更されている。以前より細かくテーブルをコントロールすることが可能になったほか、水平スクロールやドラッグアンドドロップによる列の並び替えなどがサポートされた。加えて、パフォーマンスも大きく向上したという。