米Microsoftは12月13日(現地時間)、同社の仮想化ハイパーバイザ「Hyper-V」のパブリックベータの提供を開始した。同ベータは現在、Windows Server (WS) 2008の専用ページからダウンロードが可能。Hyper-Vは2008年第1四半期(Q1)のリリースが予定されているWindows Server 2008の目玉機能の1つであり、一部バージョンには標準でバンドルされる。当初、Hyper-Vのパブリックベータの提供は2008年Q1を予定していたが、少し早めのMicrosoftからのクリスマスプレゼントになったようだ。

Hyper-Vは従来までの同社のVirtual Serverなどとは異なり、ホストOSなしで仮想化のゲストOSを実行可能なハイパーバイザ機能が提供される。これによりサーバのリソース管理のほか、複数のサーバ・インスタンスを1つの物理的なサーバ・システムに集めて集中管理できるサーバ統合実現がより容易となる。Hyper-Vパブリックベータは現在、Windows Server 2008 (WS2008) 英語版のx64 Enterprise Editionでのみ動作する。2007年9月にリリースされたCTP (早期技術プレビュー)版でサポートされていなかった、Quick Migration、Server Core Role、Server Manager Integration、そして高可用性運用への対応などが行われている。

Hyper-Vのベータ提供前倒しのニュースは、WS2008のリリースが近いことを意味する。現在Microsoftでは、WS2008、SQL Server 2008、Visual Studio 2008の大規模なローンチイベント開催を2008年2月27日に米カリフォルニア州ロサンゼルスで予定している。現在WS2008はRC1となっており、イベント開催当日までのRTM到達の可能性が高まっている。同社はHyper-Vの最終版リリースをWS2008 RTM登場から180日以内としており、このペースでいけば2008年春過ぎまでにはHyper-Vも正式リリースとなりそうだ。