韓国最大のポータルサイト「NAVER」を運営するNHNは、日本の検索市場に進出するため、新規法人であるネイバージャパンを設立したと発表した。

満を持しての再挑戦

ネイバージャパンはNHN Japanの100%出資企業。代表取締役は、NHN Japanの代表でもある森川亮氏、取締役にはNHNのCSOであるイ・ヘジン氏とNHN Japan会長のチョン・ヤンヒョン氏がそれぞれ務めることとなる。企業の規模については「まだ設立したばかりで決定していない。サービスを提供していく過程で適宜人員補充などをしていく」(NHN)という。

韓国では最大のポータルサイトに成長しているNAVER。日本にも過去に同名の検索ポータルを提供開始したものの、思ったほどに人気を得られず、2005年に日本市場から検索部門が撤退している。ただしNHN Japanによるゲームポータルの「ハンゲーム」や、コミュニティサービスの「CURURU」は現在でもサービス中だ。

しかし同社では撤退後も、2006年6月に「1noon」(チョッヌン)という検索サイトを350億ウォン(約41億8,524万円/1円=0.119ウォン)で買収するなど、検索技術の向上に投資を行っていた。

今回のような日本再進出への意志も、以前より明言していたことだ。当初は2007年上半期に進出するとしていたので、やや遅れた形とはなったが、2度目の挑戦だけに慎重な準備が進められていることの現れかもしれない。

日本に特化したサービスを提供

NHNでは「まだ具体的なサービス内容については明かせない」としながらも、「韓国と日本のNAVERは、サービス内容が異なるものになるだろう」(NHN)と述べている。その理由として「両国では好みや検索する傾向が異なるため。日本では日本に特化したサービスやコンテンツ展開を行っていく予定」と、地域性の強いサービスになることを示唆している。

このため新法人とNHN本社では担当業務が異なり、明確な役割分担が行われる。NAVER Japanでは、検索サービス運営、コンテンツ開発、市場調査、営業戦略の樹立といった役割を、一方検索に関する技術開発は韓国のNHN本社が担当することとなっている。

韓国市場で培った検索技術や豊富なデータベースを基盤に、日本で展開しているゲーム事業を通して培ってきた日本市場でのノウハウや知識を結合させ、「より専門的で体系的な」(NHN)検索サービスを作り上げるのがNHNの狙いだ。

NHNでは現在、α版の検索エンジン開発を終えてテストに入っている状況だ。日本で本格的にサービスを提供するのは「2008年上半期中」(NHN)になる。