日立製作所(以下、日立)は5日、従来から取り組んできた省電力化技術開発をさらに強化/拡大していくための「Harmonious Green(ハーモニアス・グリーン)プラン」を策定した。日立の主要IT製品(サーバ/ストレージ/ネットワーク機器など)に対し、日立独自の仮想化技術/冷却技術/半導体省電力化技術等を用い、部品/装置レベルで省電力化を進め、効率のよいシステム運用技術の開発に取り組む。

「Harmonious Greenプラン」の内容は以下のとおり。

  1. 運用レベル
    日立独自のサーバ/ストレージ/ネットワーク仮想化技術を発展させ、電力量監視/電力制御自動化/使用リソース最適化の3階層で省電力運用技術を開発する
  2. 装置レベル
    ハードディスクの回転を制御するMAID(Massive Array of Idle Disks)技術やテープ媒体の活用など記憶媒体の組み合わせ、給電ロスを大幅に低減する新たな受電技術、熱交換を効率化するヒートシンク技術などの開発を推進する
  3. 部品レベル
    高効率電源回路/デバイスの開発や、民生向けLSIで培った半導体省電力化技術(リーク制御/マルチ電源領域による領域別電源遮断など)の高速化/高信頼化など、電源モジュールとLSIの省電力化を重点的に進める

さらに日立は、このプランに沿った新製品を2つ発表した。

  • BS320 esサーバブレード
    統合サービスプラットフォームBladeSymphonyの小型高集積モデル。BS320向けに省電力部品を用いたエコロジーサーバ(12月17日発売)
  • Hitachi Tape Modular Storage
    省電力機構としてテープライブラリを接続/制御できるディスクアレイ装置(11月5日発売)

さらに、その他の製品についても、順次、本プランに沿った製品開発を推進/拡充し、今後5年間で累計約33万トンのCO2削減を目指す。

また、このプランの成果は、10月1日に開始した今後5年間でデータセンターの消費電力を最大50%削減を目標にしたデータセンター省電力化プロジェクト「CoolCenter50」へも活用していくという。