米通信キャリア最大手のAT&Tは23日(現地時間)、同社2007年第3四半期(7-9月期)決算を発表した。同四半期の売上は301億ドルで、前年同期比93%アップ。純利益は31億ドルで約41%の上昇となる。2006年末に買収した米Bellsouthの業績がそのまま組み込まれる形で急成長につながった。

携帯電話サービスの契約数は同四半期だけで約200万件増えて6570万件に達した。AT&Tは米国でiPhoneの独占販売契約を結んだ業者として知られており、その業績への影響が注目されている。AT&T自身では詳細な数字を公開していないが、Apple側の発表を加味すれば同四半期でのiPhoneの正式な契約数は100万台近くになるとみられ、半数には満たないまでも、かなりの割合で新規契約数増加に貢献していると考えられる。

米Appleでは同社会計年度で2007年第3四半期(4-6月期)でのiPhone出荷台数を27万台、2007年第4四半期(7-9月期)での出荷台数を111万9000万台だと公表しており、トータルでは約140万台を出荷していることになる。一方でAT&Tは第2四半期(4-6月期)決算で6月29~30日の2日間のiPhone契約数を14万6000件と公表しており、残り約125万台の行方に注目が集まる。Appleは第4四半期決算のカンファレンスコールの中で、約25万台のiPhoneがAT&Tの契約なしに利用可能なアンロック状態で使用されているとの見解を示しており、残りの100万台がそのまま同四半期でのAT&Tの契約に結びついていると考えられる。iPhoneの契約はAT&Tの既存ユーザーが乗り換えたケースと新規契約の2種類のケースがあるが、新規契約の伸びに大きな影響を与えているとみられる。なおAppleによれば、アンロック状態での利用は9月初旬のiPhone販売価格の200ドル引き下げ以降急増したという。

またAT&Tによれば、携帯電話事業での売上は同四半期に14.4%増加しており、さらにデータ通信に限定すれば63.9%と急増しているという。前述の200万件の契約増加と合わせ、過去最大の成長を記録した。一方で固定電話や有線接続サービスの売上は25%伸びており、企業向けのIPサービスや家庭向けのビデオ配信サービスのU-verseが成長を牽引する形となった。