中国で文化行政を担当する文化部と、情報通信産業政策を担当する信息産業部はこのほど、それぞれが担当する「全国文化信息資源共享工程(文化情報共有プロジェクト)」と、「農村信息化総合信息服務工程(農村情報化に関する総合情報サービスプロジェクト)」の推進で相互に連携し、農村振興を図っていくことで合意、協力協議書を締結した。

「文化共享工程」は、文化部と財政部が2002年から共同で実施しているプロジェクトで、先端技術を利用して優れた文化情報をデジタル化し、インターネットや衛星放送、ディスク配布などの方法により、全国規模で共有することを目指している。また、「総合信息服務工程」は、農村地域における情報サービスのレベルを引き上げることを目的とし、2006年から実施されている。

協力協議書の締結により、信息産業部が情報機器やネットワーク、技術、人材などを提供し、文化部がデジタル化したコンテンツを農村地域に提供していくことが合意された。

中国国家発展・改革委員会が発表した最新データによると、今年上半期までに、農村地域のインターネットユーザー人口は3,741万人に達し、昨年末の2,310万人より大幅に増加した。だが、農村でのインターネット普及率は5.1%にすぎず、都市部の21.6%に大差を付けられている。

信息産業部は第十一次五カ年計画中に、「郷郷能上網(どこの村でもインターネットに接続できる)」という目標を掲げており、中国における都市と農村の「数字鴻溝(デジタルデバイド)」縮小に全力で取り組んでいるところだ。今回の文化部と信息産業部との協力も、こうした目標を達成するための一環と考えられる。