米Googleと米YouTubeは10月15日 (現地時間)、ビデオコンテンツの判別ツール「YouTube Video Identification」のベータ運用開始を明らかにした。アップロードされたビデオの内容を正確に判別することで、YouTubeにおける著作権侵害行為を抑制し、著作権所有者による柔軟なビデオコンテンツ管理を実現するのが同ツールの狙いだ。

Video Identificationツールの目標としてYouTubeは「正確な識別」「著作権保有者の幅広い選択肢」「優れたユーザー体験」の3つを挙げている。識別に関しては、コンテンツパートナーとの初期テストで「期待が持てる結果が示された」という。その一方でベータ段階であることも強調している。今後、予期せぬトラブルやボトルネックに直面する可能性があり、幅広い満足を得られる安定したシステムに仕上げるには精度の向上や規模の拡大の地道な積み重ねが必要であるとしている。

Video Identificationツールを通じて著作権保有者は、それぞれのビデオのYouTubeでの共有を禁じるだけではなく、ビデオ共有を宣伝として利用したり、またはパートナーとなって収益源とすることも選択できる。また同ツールは、YouTubeのサービスの特徴である自由で素早いコミュニケーションを損なわないように設計されているそうだ。YouTubeには違法アップロードを意図しないユーザーから著作権に関する質問が多数寄せられており、同サービスでは著作権を侵害しない範囲でユーザーがユニークなビデオを創造できるようにCopyright Tipsを用意しているほか、AudioSwapというBGMプログラムを提供している。Video Identificationツールも、著作権のルールに従った範囲で、ユーザーがそれぞれの権利と責任でクリエイティビティを発揮できるようにデザインされているという。