ストレージベンダーの米EMCは10月4日(現地時間)、オンライン・データバックアップ・サービスを提供している未公開企業の米Berkeley Data Systemsを買収したと発表した。金額等の詳細は公表されていない。Berkeleyは米ユタ州ソルトレイクシティに拠点を置き、「Mozy」と呼ばれるサブスクリプションベースのデスクトップ/リモートオフィス向けバックアップサービスを運営している。

Mozyは、手持ちのPCなどにあるデータを自動的にデータセンター上のストレージにバックアップするサービス。バックアップは暗号化を含むセキュアな方法でオンライン経由で行われ、ユーザーは必要に応じて過去30日以内の状態にデータをリストアできる。2GBまではフリーのディスクスペースがオンラインで提供されるほか、月額4.95ドルのサブスクリプションを契約すれば、無限に容量を使用できる。個人向けのMozyHomeのほか、データベースやサーバ環境のバックアップに対応したMozyProも用意されている。対応クライアントはWindows 2000/XP/VistaとMac OS Xで、MozyProではさらにWindows Server 2000/2003もサポートされる。

米EMCシニアバイスプレジデントのTom Heiser氏が「情報保護とセキュリティ分野でのEMCのリーダーシップを拡大する自然な行為」と説明しているように、今回の買収はEMCの水平展開を支援するものとなる。ストレージとデータ保護、バックアップの総合商社としてのEMCの基盤強化を狙う。