東京電力と古河電気工業は1日、2006年6月から2007年3月までの期間に取り組んできた"環境負荷を低減させコストダウンを実現する光ファイバケーブルを接続/分岐する接続箱「架空光エコクロージャ」(以下、エコクロージャ)"の開発成功を発表し、導入を始めた。この取り組みによるコストダウンは、年間約1億4,000万円(材料費含む)だという。

東京電力は現在、電気事業用の光ファイバケーブルを約10万km、接続箱は約10万個所有している。従来の接続箱は、ケーブルの心数や接続/分岐の形態で仕様が決まるため、新たにケーブルの増設/分岐工事をする際は接続箱を交換する必要があり、使用済の外装材(以下、スリーブ)は廃棄されていた。

今回開発されたエコクロージャは、既設の接続箱をいかしたまま光ファイバケーブルを最大8条/600心まで拡張できる。これにより、まず年間3.4tの廃棄物の削減が可能になった。また、エコクロージャのスリーブに撤去した光ファイバケーブルの被覆など一部の廃材を約15 - 20%配合し再利用することで、年間約7.8tのプラスチック材料を節約を実現。そのほか、作業時間を6割削減するツールを開発するなどして、平成18年度実績で試算して年間1.4億円のコストダウンに成功した。なお、今回の開発に要した費用は約2,000万円だという。

東京電力は今後も「環境重視型社会の構築」に向けた廃棄物のリサイクル技術開発を、また古河電気工業はエコクロージャのさらなるマーケット拡大と環境に配慮した製品開発に努めていくという。