無線モバイルソリューションを提供するiPassは28日、2007年上半期(2007年1月1日~6月30日)の各国における公衆無線LAN利用動向レポート「iPass Wi-Fi Hotspot Index」を発表した。各国における無線LAN利用率や利用場所などをまとめたレポート。iPassのサービスを利用する全世界3,500社以上のビジネスユーザーから集めた約200万セッションの無線LAN接続データをもとに作成されている。公衆無線LANの国別利用率では米国、都市別ではロンドンがトップ、利用場所は空港がもっとも多かった。日本の利用率は世界7位だが、成長率が25%(前年同期比)と他国より著しく低い結果が出ている。

ビジネスユーザーによる国別の無線LAN利用率では、米国が全世界の56%を占め、第2位の英国(13%)を大きく引き離した。都市別で見るとロンドンでの利用率が1.3%でトップ。ニューヨークは2位の0.3%だったが、米国内の都市はトップ10に7都市が含まれている。成長率では欧州の伸びが顕著で、全世界の36%を占めるまでになっている。アジア・太平洋地域は全世界の6%、成長率は86%と、拡大傾向は変わらないとはいえ欧米にくらべてスローペースという結果が明らかになった。とくに7位日本(2%)の成長率は25%で、利用率トップ10内の国では著しく低い数字となっている。なお、1日の平均利用時間87分に対して、中国と韓国では約3時間以上という長時間傾向が見られる。

利用場所では空港が46%ともっとも多く、次いでホテル(30%)、カフェ・その他(24%)が続く。日本の場合も成田や羽田といった空港での利用率は高いものの、東京駅、仙台駅など駅構内での利用が目立つようだ。


国別・公衆無線LAN利用率(トップ10)
国名 07年上半期 前年同期比
1 アメリカ 56% 108%
2 イギリス 13% 247%
3 ドイツ 7% 379%
4 スイス 4% 263%
5 オランダ 3% 130%
6 フランス 2% 176%
7 日本 2% 25%
8 オーストラリア 2% 789%
9 スペイン 1% 170%
10 スウェーデン 1% 207%

都市別・公衆無線LAN利用率(トップ10)
都市名 07年上半期 前年同期比
1 ロンドン 1.3% 251%
2 ニューヨーク 0.3% 54%
3 東京 0.3% 119%
4 シカゴ 0.3% 49%
5 ヒューストン 0.3% 72%
6 ダラス 0.3% 94%
7 シンガポール 0.3% -32%
8 サンフランシスコ 0.3% 80%
9 ミュンヘン 0.2% 20%
10 サンノゼ 0.2% 53%

公衆無線LANの利用場所
場所 07年上半期 前年同期比
1 空港 46% 121%
2 ホテル 30% 255%
3 カフェなど 24% 97%

空港別利用率(トップ5)
空港 07年上半期 前年同期比
1 シカゴ・オーヘア国際空港 3.9% 113%
2 ダラス・フォートワース国際空港 2.6% 66%
3 ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港 2.3% 129%
4 サンフランシスコ国際空港 1.8% 73%
5 ロンドン・ヒースロー空港 1.6% 117%
(成田空港の利用率は19位)

ホテル別利用(トップ5)
ホテル
1 オーランド・ワールドセンター・マリオット(米国)
2 エアポート・サン・インターコンチネンタル・ヨハネスブルグ(南アフリカ)
3 ホリデイ・イン・アイントホーフェン(オランダ)
4 サンフランシスコ・マリオット(米国)
5 チャン・グン・ホテル(台湾)
(数値は非公開)

日本国内利用場所(トップ10)
場所
1 成田空港
2 羽田空港
3 JR東京駅
4 JR仙台駅
5 マクドナルド武蔵中原(川崎)
6 大阪国際空港
7 ヒルトンホテル(大阪)
8 JR大宮新幹線(埼玉)
9 ヒルトンホテル(成田空港)
10 マクドナルド港南中央(横浜)
(数値は非公開)